将棋情報局

棋士の本棚フェア 第1回:戸辺誠七段(インタビュー後編)

※このフェアは終了しました。第2回をお楽しみに。「棋士の本棚フェア」はプロ棋士に自身の上達法や、実際に読んだオススメ棋書をインタビューでうかがって、関連商品を割引販売するというものです。記念すべき第1弾は戸辺誠七段。生粋の振り飛車党で中飛車のスペシャリスト。2019年1月には新刊「戸辺流 こだわりのゴキゲン中飛車」が発売され好評いただいています。

※このフェアは終了しました。

戸辺七段ご推薦の書籍や、「次の一手」に関連する書籍(電子版)がお得となっています。この機会にぜひお求めください。3/4インタビュー後編公開にあわせ対象商品を追加しました!

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※2/28追記

戸辺七段に直筆扇子をご提供いただきました。フェア期間中に対象商品のいずれかをお求めいただきました方の中から抽選で1名にプレゼントいたします!

それでは戸辺流上達法、どうぞご覧ください。

――せっかく戸辺先生にお話をうかがったので、なにか振り飛車党ならではの本の読み方とかありますか?

「う~ん、振り飛車党ならでは・・・。そうですね。(少し考えて)あっ、そういえば、詰将棋って、振り飛車党に有利なんですよ」

――え!?そうなんですか?

「そうです。なぜだかわかります?」

――いや、すいません。全然わかりません(笑)

「詰将棋の問題って、だいたい玉が右上にあるじゃないですか」

――あっ!そうか!

「そうそう。振り飛車党からすると居飛車の玉はだいたい右上にいますよね。だから振り飛車党は詰将棋を実戦の感覚のまま解けるんです。逆に振り飛車の玉は居飛車から見ると左上にいます。詰将棋は振り飛車やや有利なんです(笑)」


言われてみればその通り。左右対称に9筋側に駒を配置してもいいはずだが、詰将棋は1筋側配置の問題が圧倒的に多い。
藤井聡太推薦! 将棋か強くなる3手詰より

 

――なるほど~。考えたことなかったです。目からウロコでした。

「あと、これは振り飛車党とは関係ないんですけど、詰将棋の本って、一冊で2度楽しむ方法があるんですけど、これは知ってます?」

――え!? そんな方法があるんですか?教えてください。

「まず、普通に一回解くじゃないですか。その後、本を上下ひっくり返してもう一回読むんです」

――なんと! 自玉みたいになりますね。

「そうです。自玉の詰みを読む訓練ができて、受けの力もつくんです。もちろん、詰将棋ですから詰むんですけど、自玉の詰みを読む習慣をつけておくことで、実戦でも読みの中で、『これ、危ないな』と思えるようになるんです」


最初は普通に解いて・・・

 


次は本を逆さにして読めば自玉の危機察知能力が身に付くそうです!
内藤のカンタン詰将棋より

 

――なるほど~。相手玉の詰みを読むのは楽しいんですけど、自玉の詰みを読むのって、ついつい手を抜いてしまうんですよね。

「そうですね。でも、それをやるだけでも終盤ひと粘り、みたいなことができたりするんですよ」

――最後に新刊の「戸辺流こだわりのゴキゲン中飛車」のお話もいただけますでしょうか?


戸辺流 こだわりのゴキゲン中飛車【棋譜ファイル付き】

 

※『戸辺流 こだわりのゴキゲン中飛車各章の冒頭を集めたお試し版(全42ページ)がウェブ上で読めるようになりました。>>こちら<<からどうぞ。

 

「かなり追い込まれて書きましたよ(笑)。有段から高段者向けの本格的な戦術書が久しぶりだったので、結構大変でした。自分がずっと中飛車の最新形を追ってきたので構想段階から考えると1年以上の研究をぶつけた感じです」

――ゴキゲン中飛車でいうと、一時期は超速に押され気味でしたが徐々に盛り返してきたという印象です。やはり△4四銀型が優秀、ということでしょうか?

「△4四銀型が一番安定しています。そこをベースにして、たまに久保先生や菅井さんがやっているような低い構えもたまにやる、というくらいがいいバランスなんじゃないでしょうか。特にアマチュアの方の場合はまず自陣を安定させてから戦ったほうが、力が出ることが多いと思いますので」

――そうですね。速攻で潰される心配がないので△4四銀型はアマチュア向きだと思います。

おまけ 新刊案内「戸辺流!こだわりのゴキゲン中飛車」 ~二枚銀をやっつけろ!の巻~

「本当はタイトルに『中飛車必勝法』とつけたかったですけど超速も優秀ですし、後手番ということもあって、そこまで強気なタイトルはつけられなかったです。でも自分がこだわってずっと研究してきたことを一つ形に残したいという思いはありましたので、『こだわり』という言葉を使わせていただきました」

――『こだわりのゴキゲン中飛車』。良いタイトルだと思いました。これまで将棋の本で使ったことがなかった言葉でインパクトありました。

「内容面でも編集部さんから結構自由にやらせていただいて、私としてもこれまで何冊か書いた経験から自分が一生懸命書けばそれほどひどいものにはならないと思っていましたので、伸び伸びやらせていただきました。ただ、最後はぎりぎりになって1日20時間パソコンに向かいました(笑)」

――そんなにやっていただいてたんですか!追い込んでしまって申し訳ございません(笑)

「いえいえ。結果としていいものが出来ましたし、達成感がありました」

――今となってはこの本を抜きに中飛車は語れないでしょう。直近のプロの対局もあれがベースになっているんだなというのがよくわかります。

「そうですね、プロはあの内容をベースにして細かいところで味付けしてます。対局を鑑賞する上でもいい本が残せたかなと思います」

――先手中飛車のほうはどうですか?いまは振り飛車のエース戦法というイメージですが。

「やっぱり一手の差が大きいです。先手中飛車は優秀だと思いますよ、基本は6割、調子のいいときなら7割くらい勝てるイメージです。それくらい設定のいい戦法です」

――は~。そんなにですか。先手中飛車の天下は続きそうですね。

「いや、ところがどっこいなんですが、先日、村山さん(※慈明七段)と順位戦があって、そこで本に書いたのと似た形になったんです。村山さんがビシビシ指してきて『やけにテンポが早いなー』と思っていたら、あとで『当然本を買って勉強しましたよ』と言われまして(苦笑)。私も本を書いた手前自信があったのでそのとおりに進めたんですが、半歩先をいく研究をされていて、負けてしまいました」

――あー。そういうことがあるのですね・・・。

「これは唯一の本を書いたデメリットでしたね(笑)。そうやって定跡は進歩していくからいいんですけどね」

――そう言っていただけると救われます。

「本に書いた手順で7割くらい勝てるといいんですけど。説得力が違ってくると思いますし」

――そうですね。戸辺流で暴れ回っていただけることを期待しております。

「はい。頑張ります」

――本日は上達法から新刊の話まで、長い時間、どうもありがとうございました。

「いえいえ、こちらこそありがとうございました」

 

 

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