2016.08.24
合格講座:第7回「ストラテジ系 サービスマネジメント」
2016年(平成28年)秋の[基本情報技術者試験]に合格するための重要ポイント「サービスマネジメント分野への対応と攻略」について解説します。
サービスマネジメント分野への対応と攻略ポイント
ITサービスマネジメント、ITIL、SLAなどの用語の定義が問われるでしょう。特にITサービス管理およびシステム運用管理に関する具体的な方法論であるITILは要注意です。
[本試験出題例!]
基本情報技術者 平成28年春期問題 午前:問57
※リンク先はIPAサイトの過去問(PDFファイル)になります。
ITサービスマネジメントのキャパシティ管理プロセスにおける,オンラインシステムの容量・能力の利用の監視についての注意事項のうち,適切なものはどれか。
ア 応答時間やCPU使用率などの複数の測定項目を定常的に監視する。
イ オンライン時間帯に性能を測定することはサービスレベルの低下につながるので,測定はオフライン時間帯に行う。
ウ キャパシティ及びパフォーマンスに関するインシデントを記録する。
エ 性能データのうちの一定期間内の最大値だけに着目し,管理の限界を逸脱しているかどうかを確認する。
解答・解説はこちら
ITサービスマネジメント
サービスマネジメントとは、何らかのサービスの提供者が提供する各種サービスを効率的かつ効果的に管理・運営するためのしくみです。特に情報システムの分野におけるサービスマネジメントのことをITサービスマネジメントといいます。これは、ITサービスを提供する企業が、利用者のニーズに的確に対応しながらITサービスを維持・発展させ、継続的な改善活動を提供するために行うシステム運用のマネジメントを指します。
ITサービスマネジメントの体系
ITサービスマネジメントは、日常的なサービスをサポートするITサービスサポートと、中長期的な運用計画を管理するITサービスデリバリの二つから構成されます。なお、ITサービスデリバリは5つのプロセス(サービスレベル管理、キャパシティ管理、可用性管理、ITサービス継続性管理、ITサービス財務管理)で構成されています。
キャパシティ管理のポイント
キャパシティ管理は、その管理対象として事業、サービス、コンポーネントの3つのサブプロセスが定義されています。ユーザが必要としているサービスレベルに対して、組織およびシステムが現在および将来において備えていることが求められる各種リソース(システムのパフォーマンス、サポート体制、ハードウェアの能力等)を管理するプロセスでもあります。
SLA(サービスレベル契約)
SLA(Service Level Agreement:サービスレベル契約)とは、提供されるサービスレベルに関しての合意であり、提供されるサービスの品質保証契約でもあります。ITサービス提供における役割と責任の所在の明確化を目的としています。
ITILの役割
ITIL(Information Technology Infrastructure Library)は、英国政府機関であるCCTA(中央電子計算機局)が策定したITサービス管理およびシステム運用管理に関する方法論が紹介されたガイドラインです。IT活用の優良事例について調査されたITサービス管理およびシステム運用管理に関する包括的かつ体系的であり、ITサービスマネジメントのための実質的な世界標準となっています。
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解答と解説
正解:ア
キャパシティ管理における主要な役割です。
イ キャパシティ管理では、稼働中の状態の把握・管理を行います。
ウ インシデント管理の役割です。
エ 一定期間内の最大値データだけに着目するものではありません。