2018.09.08
Mac Fan独自の視点で、アップル周辺の最新ニュースや話題に切り込む!
Appleのアプリ配信プラットフォームである「App Store」が2008年7月に登場してから今年で10周年を迎えた。現在200万本以上のアプリが配信されているが、ユーザが目的のアプリに辿り着くための「アプリ広告」のあり方が大きく変わりつつある。
10年目のアプリ広告改革
アップルは、同社が提供するアフィリエイトプログラムの内容を改訂し、2018年10月1日からはiOSアプリとMacソフト、アプリ内課金などのコンテンツが同プログラムの報酬対象から外されることを発表した。ただし、ストアで販売される音楽や映画、ブックなどは従来どおり報酬の対象となっている。
「アフィリエイト(成果報酬型広告)」と聞くとややネガティブなイメージを抱く人もいるようだが、本来は多くの人にメリットがある優れた広告配信の仕組みだ。プログラムに登録した人(アフィリエイター)は、自分のブログなどでアプリやコンテンツを紹介し、それをクリックしてインストールしたユーザからの売り上げに応じて、ASP(アフィリエイトサービス会社)を通じて数%の報酬がアフィリエイターに支払われる。そして広告主であるアプリ開発者も、自分のアプリを多くのユーザに届けられる。まさに「四方良し」のシステムで、開始当初はその収益性の高さから多くのアプリ紹介メディアが立ち上がった。
ところが、アプリ市場の拡大とともに、大規模な広告費を投入できる大手の開発会社が参入を始める。個人開発者やインディーズの開発者はほとんど太刀打ちできなくなり、無料アプリの普及もあってアプリ紹介メディアの多くを窮地へと追いやった。次第に「ブースト」と呼ばれる手法でランキングの掲載順位を操作する開発会社が登場したり、読者からはわからない形で宣伝レビュー記事を掲載する「ステマ(ステルスマーケティング)」が台頭。WEBでは質の低い記事が量産され、アップストア自体のランキングやレビューすら信用できないという認識が広まってしまったのだ。アップルもASPの変更やアップストアのインターフェイスの刷新でこの問題に対応しており、今回の改革もそうした流れの一環とみなすのが自然だろう。
「iTunesアフィリエイトプログラム」は、WEBサイトやアプリから張られたリンクのうち、一定の条件を満たす売り上げに対してコミッション(報酬)が与えられる仕組み。紹介する側にも読む側にもメリットがあったが、ランキング不正操作などの弊害が指摘されていた。【URL】https://www.apple.com/jp/itunes/affiliates/