2018.01.06
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古くからMacを使っている人ほどよく知っているであろうワープロソフト「EGWORD」シリーズ。2007年に最終版が販売されて以来アップデートがなく、このまま消えていくのだろうか…と思っていたところ、2017年9月に再び開発が始まったとの朗報が届いた。現在までの情報をまとめてチェックしてみよう。
開発資産を取得
本誌の読者であれば、「イージーワード(EGWORD)」という名前を覚えている方も多いのではないだろうか。1984年から開発・販売されていたエルゴソフト社の日本語ワープロ・ソフトウェアで、Macユーザにとっては縁の深い製品の1つといってよいだろう。
イージーワードは、長らくMac向け製品として不動の人気を誇り、堅実にバージョンアップを重ねながら販売を続けてきた。しかし、競合他社の台頭やソフトビジネス全体の縮小化などさまざまな情勢も影響し、2008年に販売を終了した。翌年1月にはすべてのユーザサポート業務も終了し、会社自体も解散。多くのファンに惜しまれつつも、25年という歴史に幕を閉じたのだった。
しかし、そんなイージーワードが、2017年9月に開発再開されるというニュースが入り、多くのMacユーザを驚かせた。表明したのは、日本語入力ソフト「かわせみ」やiOS向け辞書アプリ「大辞林」などで有名な株式会社物書堂。この会社は、エルゴソフトで働くエンジニアたちがイージーワードの販売終了を契機に独立して生まれた経緯を持っている。今回物書堂は、株式会社コーエーテクモゲームス(エルゴソフトの親会社)から開発資産(ソースコードや開発資料)を譲り受ける形で取得。再び自分たちの手で蘇らせようと、再スタートを果たしたのである。
実は、イージーワードの最終版である「イージーワード・ユニバーサル2(egword Universal 2)」は2007年の最終アップデートまでにmacOSの標準フレームワーク「ココア(Cocoa)」を使ったものに改修されており、可能な限りモダン化された状態になっていた。これが幸いし、macOSシエラまではアップデートなしにそのまま使えていたのだ。
非常に筋の良い設計によって生き永らえ、会社がなくなっても愛用し続ける人がいたイージーワード。だがついに、macOSハイシエラでは正常に動作できないことが発覚。これを解消するにはアップデートを実施するしか方法がないと考えた物書堂が、今回の資産譲渡と開発の再開につながったのだという。