[CASESTUDY 3_飲食店舗]夜木|MacFan

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心地よい食楽空間はアナログとデジタルを融合

[CASESTUDY 3_飲食店舗]夜木

文●牧野武文写真●黒田彰編集部

“接客はアナログ、後方支援にデジタル”

惣菜とワイン 夜木「ヨギ」

[URL] http://www.classic-inc.jp/yogi/
[住所] 東京都渋谷区東3-16-10 三浦ビル1F
[TEL] 03-5422-6230
[営業] 平日18:00~02:00 土日祝17:00~
[インタビュー] CLASSIC INC. 取締役 森山裕之

 

▶︎iPadの店舗業務活用の成果

●接客スタイルを壊さない
●隙間時間に売上データ管理

 

夜木のレジシステム構成

iPad mini×2
Airレジ
Wi-Fi
クレジットカードリーダ

 

 

夜木は、東京・恵比寿にある大人の隠れ家的バー&レストラン。お酒だけでなく、キッチンカウンターでは東北の新鮮な魚介を使った食事も楽しめ、多くの客が数時間をゆったりと過ごしていく。席は30席ほどで、客数は1日30組程度。そのため、会計作業に追われるということはない。

接客だけを考えたら紙伝票で充分間に合っていたし、夜木の接客スタイルにはそれが一番合っていた。しかし、課題は会計事務所に売上データを渡す必要があることと、土地柄カード決済が多いこと。常識的にはPOSレジを導入すべきだが、問題はスペースだった。

「大きなレジを置くぐらいなら、オーディオ機器を置きたい」

また、狭いところに無理してレジを置いて、落ち着いた雰囲気を壊してしまうのも心配だった。そこで注目したのがiPadのレジアプリだった。iPadなら場所を取らない。クレジットカード決済もできる。

「偶然寄ったカフェがiPadのレジアプリを使っていて、すごくスタイリッシュだな、うちの雰囲気にも合うだろうなと(笑)」

 

接客では紙伝票、あとで

面白いのは、iPadはカウンターにしまっておき、客からの注文・会計は紙伝票で行うことだ。

「デジタル情報は目に見えないのが問題なのです」

夜木のように雰囲気を重視する飲食店では、さりげなく客を観察し、おかわりを薦めたり、料理を出すタイミングを図ったりする。しかし、バーテンダーやコックは目の前の作業に集中するため、なかなか店内の状況を掴むことができない。そのためマネージャーが全体状況を見て、さまざまな指示を出していく。紙伝票ならマネージャーが店内を巡回し、横目で見ながら状況を把握できる。

仕事の合間を見つけては、紙伝票はマネージャーが集めAirレジに入力していく。それでも1日の伝票数が30枚程度なので、大きな負担にはなっていない。

「注文会計はアナログのまま扱い、司令塔に集約。そこからデジタルに変換して分析に回すというのが夜木には合っているやり方だとわかってきました」

 

バーには紙伝票が似合う

バーでは客が時間をおいて注文を重ねていく。追加注文のたびにレジアプリを使うよりも、紙伝票に記入してしまったほうがスムースになる。カウンターバーの上には鉄柱があり、マグネット付きの伝票を客前に貼っておく。支払いもカウンターで行ってしまう。Airレジは最後の集計と、その後の売上分析のために使っている。

 

バーならではのAirレジの工夫

バーならではのメニュー項目が「カスタムオーダー」。カスタムとは「こんなカクテルつくれない?」「こんな料理つくってよ」と注文があったときに、「おいくらになりますがよろしいですか」とその場で要望に応えるもの。Airレジで「0円」に設定しておき、価格をあとから入力する。左上にボタンを配置し、使いやすくしている。

 

 

【八面六臂】
Airレジとも連携している全国各地の鮮魚、野菜、精肉、酒類をネット注文できるププロ用食材マーケット「八面六臂」。午前2時までの発注で、翌日配送。発注メニューには料理人向けの情報が記載されている。配送料は1回500円だが、年会費4980円プランもある。