2016.03.14
2月8日、国際航空運送協会はリチウム電池の航空輸送に関する国際規則を更新し、4月1日より準拠が義務づけられることになった。そしてこの規制の影響によって、モバイルバッテリ製品の販売価格が上がってしまう懸念が出てきた。新しい規制の内容を詳しく見てみよう。
充電率が問題になる
航空輸送による国際規則で、新たに「リチウムイオン電池を輸送する場合は、充電率が30%を越えないこと」という規制が追加された。この規制は2016年4月1日から準拠が義務づけられる。
この規制では、機器と同梱または機器に内蔵されている電池は対象外だ。たとえば、デジタルカメラの中に入れたバッテリや、iPhoneやMacBookの本体内に内蔵されているバッテリは、この規制の対象にはならない。しかし、デジタルカメラのバッテリの場合、本体とは別にした電池は規制の対象になってしまうし、モバイルバッテリもやはり予備電池と見なされ対象となる。
個人が旅客機で移動する場合、カメラバッテリやモバイルバッテリなどは以前から預け入れが不可能で、手荷物として機内に持ち込む必要があり今回の規制とは無関係だ。この規制で一般消費者が注意すべきは、海外通販などを利用したときの航空輸送だ。
たとえば海外通販などでデジカメや格安SIMフリー端末などを購入した場合、バッテリが本体内ではなくパッケージ内に単体で同梱されていると、この規制に抵触してしまう可能性が出てくる。そしてその場合、発送元が30%以下のバッテリ容量であることを証明しないと没収されてしまう恐れがある。しかし、デジタルカメラのバッテリには充電率を示すLEDなどが設けられていることはまずないため、証明することは事実上不可能なのだ。