2016.03.05
アップルは日本市場を非常に大切にしている。主要な地域として「日本」の数字を公開している決算書類からも、そのことがうかがえる。来日したアップルのプロダクトマーケティング担当副社長、ブライアン・クロール氏は、日本のユーザにぜひ試してほしい3つの体験を語ってくれた。
カテゴリの融合を拒否
アップルのプレゼンテーションでしばしば目にするのが、同社の製品を小さい順に並べたラインアップ一覧の図だ。左から、アップルウォッチ、iPhone、iPad、MacBookプロ、そしてiMac。これら5つの製品は、iPhoneと組み合わせることが前提となるアップルウォッチ以外、どれか1つだけでも存分に活用できる。加えて、1人の人がすべてのデバイスを所有する可能性もまた存在している。
「アップルのプロダクトはそれぞれが役割を持っている、とてもユニークな存在です。腕に装着する、ポケットに入れる、持ち歩く仕事環境として、など。1つずつが異なるカテゴリにあり、1つずつを完成させていくのが我々の仕事です」
そう答えるのは、アップルの副社長、ブライアン・クロール氏だ。クロール氏もまた、「複数のデバイスの体験を統合することではない」と、MacとiPadのクロスオーバーを含む、カテゴリの融合について否定している。それよりは、いかに複数のデバイスを組み合わせて使っていくかを追究する姿勢だ。
アップルはデバイスメーカーだ。iPhoneでつかんだユーザに、もっと他のデバイスも使ってもらうことで、売上を伸ばしていこうとしている。そのためには、iPhoneユーザが心地良く、タブレットやパソコンへと作業を移行させていく「術」が必要になり、またiPhoneを持っていながらアップルウォッチを装着する「必然性」も求められる。