2016.02.24
ヤフー株式会社にてUI/UX設計設計、デザイン、コーディングなどを担当する宇野雄氏が、UIデザイナー目線でアプリデザインなどを解説。
最適な画面の比率は?
iPhoneをはじめとしたスマートフォンは縦に持って利用するシーンがほとんどだと思います。横で使うシーンというと、写真撮影や動画視聴くらいでしょうか?
でも、写真も動画も横位置じゃないといけないルールなんてありませんね。それを裏付けるように、今スマートフォン向けのメディアでは、「縦長」の動画を用いたサービスが増えてきているのです。
その一方で、テレビやパソコンは横長前提のまま。これからは縦長の時代なのか、それともこのまま横長なのでしょうか。
流行する縦長動画
誰しもが、横長の動画を縦持ちしたスマートフォンで視聴した経験があると思います。中には、上下に大きく黒い余白が出てしまうこともあり、これでは肝心の動画が小さく表示されてしまいますし、内容も伝わりにくくなってしまいますよね❶。
特にiPhone 5から縦の長さが伸びて16:9(に近い)サイズとなったため、さらに上下の黒い余白の面積が広くなってしまっていました。もちろん、スマートフォンを横に持ちかえれば解決する話ではありますが、片手で持っていたものを両手を使って持ち直すのは、意外と手間になるものです。
こうした事情などから、先述のとおり、縦長動画を用いたサービスが出てきたわけです。特に投稿型のコンテンツは縦長の動画を重要視する動きが強くなっており、「musical.ly」という動画投稿サービスは縦長動画が大前提になっていますし❷、ユーチューブもこうした動きを受けて、縦長動画の投稿に対応しています。また、動画ファッションサービス「C CHANNEL」❸のようにユーザの投稿によるものだけではなく、プロが作成した動画を縦長動画で提供する動きも出てきました。