アップル直営店の事例に見る「ダイバーシティ」が持つ闇|MacFan

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黒人の入店拒否は「差別」か、はたまた「判断」か

アップル直営店の事例に見る「ダイバーシティ」が持つ闇

文●氷川りそな

差別や迫害は社会的通念から見ても許されるものではない。それは、アップルストアでも同様だろう。しかし、その博愛精神もあくまで自分の身の安全が保たれてこそのはずだ。2015年末に立て続けに起きた「事件」を例に、改めてその多様性が生み出した新しい社会の「闇」について今一度考えてみたい。

発端は異例の不祥事

去る11月初頭、少し毛色の変わった事件が複数のメディアで取り上げられた。それはオーストラリアのメルボルンにあるアップルストア・ハイポイントでスタッフが、近くの学校に通う黒人の学生たちに対し入店を断ったというものだ。

スタッフの言い分としては「彼らが何かを盗むのではないか、と不安になった」とのことだが、居合わせた別の顧客が対応の一部始終を撮影し「アップルストアに勤める男性たちは、ソマリ族とスーダン人の学生たちの入店を拒否した。彼らを人種差別したのだ」というコメントとともにネットに投稿。そしてそれは拡散し、やがて炎上した。

事態を察知したアップルの上層部は、学生のもとに出向いてこれを謝罪。さらに、社内にはCEOであるティム・クック氏自らが「Apple is open」と題したメールを全社員宛に送り、この事態を共有した。メールには謝罪に至るまでの経緯だけでなく、アップルは差別のないオープンな環境を目指すために、改めて全社をあげて教育に取り組むことなどが述べられていた。




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