利便性だけにとどまらない Apple SIMが見据える未来|MacFan

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日本でも販売が開始されたマルチキャリアSIMの深層を探る

利便性だけにとどまらない Apple SIMが見据える未来

文●氷川りそな

2014年のiPadエア2の発売と同時にリリースされ、通信業界を中心に注目されていたマルチキャリア対応の「アップルSIM(Apple SIM)」がついに日本でもサービスを開始した。現状は、一部のiPadに対応するにとどまるが、その内部メカニズムには、従来のキャリアビジネスを大きく変えようとするアップルの戦略が組み込まれている。

Apple SIM

【販売】アップルストア(直営店)
【価格】600円(税別)

 

 

キャリア非主導のSIMカード

アップルSIMは、アップルが提供している「マルチキャリア対応・データ通信専用」という、一風変わったスタイルを持つSIMカードだ。現時点で対応しているハードウェアは、タッチIDを搭載したiPadに限定される。このためすべてのiOSデバイスで利用できるわけではないが、11月から日本でも直営店であるアップルストアで販売が開始された。本誌でも実際に購入し、レビューしてみることにした。

今回用意したのは、アップルオンライストアで購入したSIMフリー版のiPadミニ4。これにアップルSIMを挿入し、「設定」アプリの中にある「モバイルデータ通信」を選択すると表示される「モバイルデータ通信を設定」をタップすれば、その地域で利用可能なプランが一覧で表示される。ここでキャリアを選択し、購入手続きをすれば設定は完了だ。

本稿執筆時点(2015年12月上旬)で、日本国内で選択できるキャリアは2つだけだ。1つはau。プランは1種類のみで、31日間有効の1GBデータ通信が1500円での提供となる。もう1つのギグスカイ(GigSky)は、複数のプランを用意している。30日有効の500MBプランでは、利用料6000円と高額だが、3日有効の40MBプランであれば1200円だ。ただし、ドコモベースの回線を利用しながらも高速なLTE(4G)回線は利用できず、もはや旧世代と呼んでも差し支えない低速な3G回線のみの利用となることも併せて考えると、やはり価格面での割高な印象は拭えない。




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