2016.01.04
米国において1年で最大のショッピングデーになるブラックフライデーに、2015年アップルはセールを行わなかった。代わりに、ターゲットやベストバイなど販売パートナーがアップル製品を値引き販売して好調な売り上げを記録したが、これはアップルの新たなセール戦略ではないかと指摘されている。
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今年のブラックフライデーセールに、アップルは参加せずに主役になった。
ブラックフライデーというのは、感謝祭(11月の第四木曜日)の翌日の金曜日である。米国では年末商戦の開始日であり、小売店が軒並み大セールを行う。1年で最大のショッピングデーになる。「ブラック」と付けられているのは、この日1日の売り上げによって黒字になるほどのインパクトがあるからだ。普段は値引きをしないアップルもここ数年はブラックフライデーセールに参戦し、1日限りで値引きしたり、ギフトカードのおまけを付けてきた。ところが、今年アップルストアは通常通りの営業に徹した。
ブラックフライデーセールからの撤退は、小売・オンラインストアを切り回すアンジェラ・アーレンツ氏の意向である。「ビジネスを繁栄させるなら、まずは店員を重んじるべき」というのが同氏の考え方だ。スタッフに負担を強いて1日限りの特大セールを行うよりも、スタッフにも家族と感謝祭を祝う時間を与えたいと述べていた。
アップルストアの撤退にによって、ブラックフライデーセールからアップル製品が消えてしまったかというと、むしろここ数年でもっとも目立っていた。