2015.12.05
アップルは10月27日、2015年第4四半期決算(9月末締め)を発表し、会計年度である2015年を終えた。この決算でも、iPhoneが会社全体の業績を支えているという、アップルの現在の姿を素直に反映した内容となった。2015年のアップルを振り返り、2016年へ向けての展望について考えていこう。
アップルの2015年第4四半期決算は、変わらず素晴らしいものだった。収益は515億ドル、純利益は111億ドル、利益率39・9%という数字は、いずれも昨年の第4四半期を大きく上回る。1年全体で比較すると、2014年と比べて2015年は28%成長し、2340億ドルの収益を上げた。直近のドル円レート123円で換算すると、28兆7820億円もの収益を上げている。これはインドやスイスといった国の年間の歳入に匹敵する規模である。
本稿を読み進めていただく際、これだけの規模を持っているアップルも「米国企業」である点を意識してほしい。また、世界経済が現在、米国の景気にかかっている点もまた、アップルの今後を考えるうえで重要な要因であると考えている。
中国への本格的な取り組み
アップルはこの10年飛躍的な成長を遂げているが、その牽引役となっているのはiPhoneの売上だ。2015年度は2億3122万台のiPhoneを販売した。この数字は2014年と比較すると6200万台増加している。この増加数はもちろん過去最高であり、それまでは2012年にかけての約5200万台の増加がもっとも大きな伸びだった。