2015.10.18
人の一生について考えることが多くなりました。年齢のせいでしょうか。6年前に父が他界し、確かそのときも本誌コラムに書いたと記憶していますが、癌を患い、と同時に認知症になり、家族のことでさえわからなくなってしまい、そのまま逝ってしまいました。その直後に授かった初めての子は、はや6歳。健康でとても優しく、想像力豊かな子に育っています。そして今年、母が認知症に。まだかろうじて私が誰であるかは理解できていますが、たまにわからなくなります。認知症は記憶を消去してしまう、辛く悲しい病気です。かくいう私も、連載を始めてから何年が経ったのかよくわからなくなっている事実に気づき、少し自分の心配もしつつ、最終稿を書いています。