ストレージ増量の最適解を探る!|MacFan

レクチャー Macの媚薬

 

ストレージ増量の最適解を探る!

文●栗原亮

サービスのクラウド化が進んでもローカルストレージの容量問題は完全に解決とはいきません。Macのストレージを増設する手段とポイントをこっそり教えます。

128GBじゃ足りない!

筆者は、2012年モデルのMacBookエアを使い続けていますが、とうとう128GBのフラッシュストレージ(SSD)が満杯になり限界に達してしまいました。その原因はiOSデバイスのバックアップやiPhotoおよびiTunesライブラリ、「ドロップボックス」で保存しているファイルなどですが、大事なファイルなので無闇に削るわけにもいきません。もちろん、キャッシュのクリアや過去のメールをアーカイブするなど細かく掃除していけば数GBの空き容量を一時的に稼ぐことはできますが、結局のところ焼け石に水です。

そこでストレージの増量を本格的に検討し始めたのですが、選択肢はいろいろあり悩ましいものです。まず、据え置き型の外付けストレージは安価で大容量ですが、持ち運べないので選択肢から外れました。こちらはタイムマシン専用として使うこととして、ポータブルで利用できるストレージを何種類か検討してみました。

そこで、2.5インチサイズの汎用SSDをUSB3.0対応の外付けケースに入れる方法から実験してみました。USB3.0の転送速度は実質400MB/秒が上限ですから300~400MB/秒での読み書きができるSSDを搭載すれば、USB3.0の性能を最大限活用できると考えたのです。

ところが、速度をテストしてみたところ用意した外付けケースのコントローラが一世代前のSATA2(最大300MB/秒)だったためか、SSDの性能が十分に発揮できませんでした。

チョイ足しするならUSB

意外と役立ちそうなのはUSBメモリでした。USBメモリは内蔵しているフラッシュメモリ自体が低速であることと、高性能なコントローラも搭載されていないため、ランダムアクセス性能が劣っていました。しかし、最近はSSDと共通のチップを採用するなど高速なUSBメモリが登場したり、その逆に超小型化して付けっぱなしにしても邪魔にならないタイプが登場しています。それほど頻繁にアクセスしないファイルを保存するならば、USBメモリという選択肢はかなり有力です。

なお、SDXCカードスロットを装備した13インチ以上のMacBookなら高速タイプのSDカードを常に差し込んでおくというのもありでしょう。

このようにいろいろと試してみましたが、結果的には外付けタイプではなく内蔵SSDを交換する「JetDrive」が意外とコストパフォーマンスが高いという結論に達しました。本体自体の初期費用は高めで分解の手間があるなどのデメリットもありますが、外したSSDをそのまま外付けストレージとして使えるというのがポイントです。取り外したSSDも、内蔵しているときとほとんど変わらぬ速度で使えることがわかったのが決め手となりました。

 

 

?このようなメッセージが出てしまってはもう手遅れです。細かいファイルのお掃除でSSDの寿命を縮めてしまうよりは増設を検討してみてはいかがでしょうか?

 

?USBメモリとSSD(汎用および専用)の容量と価格帯を比較してみました。USBメモリが64~256GBが中心なのに対して、外付けケースに装着する2.5インチタイプの汎用SSDは128~1TB(960GB)まで広く揃っており、ベアドライブの価格も比較的こなれています。内蔵SSDを換装するための専用SSDは割高にも見えます。

 

Flash Voyager GTX

【発売】リンクスインターナショナル
【実売価格】2万円弱(128GB)、4万円弱(256GB)
【URL】http://www.links.co.jp/item/flash-voyager-gtx/

 

?USB3.0メモリは価格が二極化しています。速度や容量は標準的ながら小型で付けっぱなしにしても邪魔にならないタイプと、コントローラを改良して内蔵SSDに匹敵する速度に迫る高性能な高級タイプの2つです。下の写真はUSBメモリながらSSD並みの速度と容量を備えた「Flash Voyager GTX」シリーズです。

 

?「JetDrive」シリーズは内蔵SSDとの換装キットのため分解する必要がありますが、換装後に余ったSSDをそのまま外付けストレージとして利用できます。このメリットはコストの高さを軽減してくれます。

 

?「Black Magic Disk Speed Test」で計測した実測値をまとめました。スピードの遅いUSBメモリはファイル退避場所として、頻繁にアクセスするファイルはSSDという使い分けがポイントになるでしょう。

 

【もっと媚薬】
MacBookエアの内部インターフェイスは世代によってPCIエクスプレスとSATAの場合があります。JetDriveは、この世代に合わせてモデルが細かく分かれているので選ぶ際には注意しましょう。インターフェイスの違いについては特集「Macが1万円安く買えるカラクリ」を参照ください。