教育・医療・Biz iOS導入事例

デバッグで閃け! Swift Playgroundsで「探究×プログラミング」

文●神谷加代

Apple的目線で読み解く。教育の現場におけるアップル製品の導入事例をレポート。

2020年4月から始まる「小学校におけるプログラミング教育」。注目すべきは、総合的な学習の時間に行われる授業内容だ。探究的な要素とプログラミングが結びつき、教師のアイデア次第でいくらでも楽しい授業ができる。具体的にどのようなものなのか。iPad導入校である横浜市立荏田東第一小学校の授業を見学した。

 

 

探究活動とプログラミング

授業の最後は、デバックの経験がどのようにホームページを作る際に活かせるのかをグループで話し合った。「間違いを見つけたときは、全部消してしまうと大変だから、間違った部分だけを消そう」「今日は自分だけでデバッグしたけど、ほかの人はやり方が違うかもしれないので、いろんな人に使ってもらって間違いを発見したほうがいい」「デバッグはいずれ成功につながると考えてやるのがいいと思った」など、子どもたちのコメントからは、この授業で多くの気づきを得たことがわかる。

「デバッグのやり方がひとつではなく、多様であることに気づいてくれてうれしいです。そのうえで、間違った部分だけを直すほうが効率的だと学べたのが良かったと思います」(永冶教諭)

プログラミングは、答えがひとつとは限らず、やり方はいくらでもある。そのアイデアを持つことが、これからのプログラミング学習にも重要だという。

一方、総合的な学習の時間として取り組んだ、探究的な活動とプログラミングを組み合わせた授業はどうか。

「地域への愛着が深まったこと。地域を活性化するために、自分たちもホームページを作ることで、地域に貢献できるという気持ちが芽生えたこと。プログラミングをとおして地域への関心や関わりが増えたことなど、さまざまな効果がありました」(永冶教諭)

子どもたちが自分ごととして、課題に向き合っていたことがよく伝わってくる。

スウィフト・プレイグラウンズを公立小学校で使用するメリットについて、永冶教諭は「今日の授業を見てもらえればわかるように、2時間目の授業で子どもたちがあれだけ使いこなせる操作性が魅力。やっぱり使いやすいです」と語ってくれた。

また、スウィフト・プレイグラウンズには、充実した教師用ガイドがあることもメリットだという。

「どの教師もイメージできるような授業案や、使い方がまとめられており、プログラミング学習において、非常に汎用性の高いツールです」(永冶教諭)

言うまでもないが、小学校におけるプログラミング教育は、プログラマーを育てることが目的ではない。プログラミングをとおして、子どもたちが考え方を広げ、アイデアを形にする能力や課題解決力などを育むことが重要である。答えがひとつとは限らない世界に子どもたちが身を置くことで、自ら学ぶ力も伸びていくはずだ。

 

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Swift Playgroundsを活用したプログラミングの授業風景。荏田東第一小学校には児童用・教師用合わせて41台のiPadが導入されている。

 

 

小学生がデバッグを体験

見学した授業は、全10時間にわたる活動の4時間目。子どもたちはこれまでに、商店街を訪れて地元の人にインタビューし、商店街の魅力が伝わるホームページの絵コンテを完成させていた。このあとは、その絵コンテを元に、ホームページの制作へと入っていく流れだ。最終的なアウトプットとして「キーノート(Keynote)」でホームページのレイアウトを作成し、ハイパーリンクを埋め込んだプロトタイプを作成する。永冶教諭曰く、実際にプロの開発者を招き、ホームページを作る際に注意する点などを子どもたちが学べる時間も設けるという。

今回の授業は、子どもたちがプログラミングを体験し、開発者に必要な「デバッグ」の考え方を学ぶのが狙いだった。永冶教諭は「ホームページを作成するとき、プログラミングするとき、上手く行かなかったときはどうすればいいか、その方法や考え方を知っておくことは大変重要だと考えています」と話す。とはいえ、小学生にどうやってデバッグの考え方を教えるのか。

子どもたちは最初、簡単な“仕掛け”が施されたすごろくゲームで遊んだ。すると、「先生、このすごろくおかしい。ゴールできない」とあちこちから声が聞こえた。それも当然。このすごろくゲームはいつまでもゴールに辿り着かない仕掛けなのだ。ここから、どうすればゴールに辿り着けるのか、子どもたちはアイデアを出し合う。「最後のマスを変えればいい」「“ふりだしに戻る”をなくせばいい」、中には「サイコロの数を変えればいい」という斬新なアイデアも飛び出した。永冶教諭は、すごろくゲームをとおして“修正する方法は幾通りもある”というデバッグの考え方を子どもたちに体感させた。

これを踏まえて、今度はスウィフト・プレイグラウンズ(Swift Playgrounds)でデバッグの仕方を学んだ。子どもたちは、同アプリの「コードを学ぼう1」の中にある「バグを見つけて直す」というレッスンに挑戦。この日、子どもたちはスウィフト・プレイグラウンズに触ったのが2日目だというが、とてもそう見えない手つきで、どんどん課題をクリアしていった。

その後は、デバックの方法についてディスカッション。子どもたちからは、「まずスタートしてみて、どこが間違っているのかを発見し、その部分だけを修正してみるとやりやすい」「全部のコードを消して、いちから自分で考えたほうがわかりやすかった」など、さまざまな意見が聞かれた。

 

 

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デバッグの考え方を学ぶすごろくゲーム。普通に遊ぶとゴールに辿り着かないので、子ども同士でどうすればゴールできるかを話し合った。

 

 

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Swift Playgroundsの「コードを学ぼう1」の中にある「バグを見つけて直す」レッスン。永冶教諭曰く「Swift Playgroundsは『コードを学ぼう』さえインストールしてしまえば、あとはオフラインで使えるのがメリットです」。

 

 

やり方は幾通りもある

授業の最後は、デバックの経験がどのようにホームページを作る際に活かせるのかをグループで話し合った。「間違いを見つけたときは、全部消してしまうと大変だから、間違った部分だけを消そう」「今日は自分だけでデバッグしたけど、ほかの人はやり方が違うかもしれないので、いろんな人に使ってもらって間違いを発見したほうがいい」「デバッグはいずれ成功につながると考えてやるのがいいと思った」など、子どもたちのコメントからは、この授業で多くの気づきを得たことがわかる。

  「デバッグのやり方がひとつではなく、多様であることに気づいてくれてうれしいです。そのうえで、間違った部分だけを直すほうが効率的だと学べたのが良かったと思います」(永冶教諭)

プログラミングは、答えがひとつとは限らず、やり方はいくらでもある。そのアイデアを持つことが、これからのプログラミング学習にも重要だという。
一方、総合的な学習の時間として取り組んだ、探究的な活動とプログラミングを組み合わせた授業はどうか。

  「地域への愛着が深まったこと。地域を活性化するために、自分たちもホームページを作ることで、地域に貢献できるという気持ちが芽生えたこと。プログラミングをとおして地域への関心や関わりが増えたことなど、さまざまな効果がありました」(永冶教諭)

子どもたちが自分ごととして、課題に向き合っていたことがよく伝わってくる。

スウィフト・プレイグラウンズを公立小学校で使用するメリットについて、永冶教諭は「今日の授業を見てもらえればわかるように、2時間目の授業で子どもたちがあれだけ使いこなせる操作性が魅力。やっぱり使いやすいです」と語ってくれた。

また、スウィフト・プレイグラウンズには、充実した教師用ガイドがあることもメリットだという。

「どの教師もイメージできるような授業案や、使い方がまとめられており、プログラミング学習において、非常に汎用性の高いツールです」(永冶教諭)

言うまでもないが、小学校におけるプログラミング教育は、プログラマーを育てることが目的ではない。プログラミングをとおして、子どもたちが考え方を広げ、アイデアを形にする能力や課題解決力などを育むことが重要である。答えがひとつとは限らない世界に子どもたちが身を置くことで、自ら学ぶ力も伸びていくはずだ。

 

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授業を担当した永冶優教諭。「プログラミングの授業は、ほかの授業と異なり、子どもたちがストレートに『楽しい!』と言ってくれるのが良い」と語ってくれた。現場ではiPadを活用したい需要が大きく、台数が足りていないとも。

 

 

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子どもたちは、Apple丸の内でフィールド・トリップも行った。プログラマーを講師として招いて、ホームページのプロトタイプを作成した。

 

 

荏田東第一小学校のココがすごい!

□ 総合的な学習の時間において「探究的な活動×プログラミング」の授業に挑戦している
□ 小学生にデバッグを教えるプロセスをとおして、「プログラミング的思考」を教えている
□ 学習をとおして、地域への愛着や地域に貢献できる当事者意識を育ている



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