「アイランド」が教えてくれたこと・後編|MacFan

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「アイランド」が教えてくれたこと・後編

文●四角大輔

MacBookとともに世界中を飛び回る四角大輔氏の、自由に生きるためのヒントが詰まったフォトエッセイ。

海という〝地球最大の自然〟が身近にある島にいると謙虚になれるものだ。逆に、自然と断絶された都会にいると、多くが人間性を失い、傲慢になってしまう。そうなるのは、都市空間にいると、自分たちが自然環境に依存して生きている実感を持てないからだろう。

海辺、森の中、大都市、どこに生きようが、人間というのは地球産の水・空気・食料のおかげで生命を維持できていることは言うまでもない。

世界各地にいる大地や海と共に生きる思想を持つ先住民のように、自然への感謝の気持ち、畏怖の念を持ち続けることができたら、人間という種族は決して「悪」ではないとぼくは信じている。たとえ、人類がこれまで犯してきた数えきれないほどの過ちを考慮したとしてもだ。

同胞である人間を大量虐殺したり、他の生物を絶滅に追いやったり、取り返しのつかないほど自然を破壊したり。いつもそういった罪を犯すのは大国だ。もしくは、大企業で働く者や、大きな建造物の中に暮らす者たち。そういう「大きなもの」の中にいると、それが自分の力と過信して、人は暴走を始めてしまう。

歴史を見るとわかりやすい。豊かな大海に囲まれた、本来は小さな島国であったイギリスも日本も、過去に自分たちを偉大だと勘違いしたがために、許され難い蛮行を繰り返した。さらに、経済力をもって人の道を外れた行為を続けたこともある。これら負の史実を、ぼくらは絶対に忘れてはいけないと思う。

 

 

Daisuke Yosumi

レコード会社プロデューサーとして7度のミリオンヒットを創出後、インディペデントな人生を求め、ニュージーランドの原生林に囲まれた湖へ2010年に移住。現地で半自給自足の〝森の生活〟を営みながら、数ヶ月は世界中で〝移動生活〟を送る。エコ雑誌や登山雑誌などの連載、Instagram、著書、オウンドメディア〈4dsk.co〉をとおして、独自のライフスタイルシフト論を発信。大自然への冒険とアーティスト育成をライフワークとしながら、ベストセラー作家、会員制コミュニティ「Lifestyle Design Camp」学長、大学非常勤講師など複数の顔を持つ。最新刊に、クラウドファンディングで360万円を集めて話題となった『Lovely Green New Zealand 未来の国を旅するガイドブック』など。




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