第七週
南の町の小さな白い家の玄関へと 北の町の鎖の錆びに体中まみれた二人がやって来て 西の町のストーブもないのに暖かなパン屋の袋を抱いて 東の町で腐るほど作られているずっしり重い革袋とともに 反故郷なるタイトルで市役所のロビー.....
第六週
思い出す。 ひたすら南へ向かったことを。 とびっきりのやわらかな毛布を用意したことを。 僕たちのささやかな罪をささやかと呼ぶ罪もあり幾重もの雲 エンジンの音なんかよりはるかにやかましく心臓が響いていた。 終助詞はうるさい.....
第五週
僕らは確かに 追われているのだろう。 誰からかはわからなくとも、 二人がその感覚を共有していればよかった。 腐食する銅に滴る水音の数だけ違ふ幸せよあれ 君が思いっきり嘲笑ってくれるなら、 僕はどんな追跡者のことだって妄想.....