はだしの星(石田瑞穂)
落ち着かない春の予感のようなものが 地中できらきら光っていて、 足の裏がむずがゆくて仕方ない。 少年たちはスケボーのローラー音を飛び散らせて、 二月のコンクリートの護岸に ドリップ・ペインティングする。 ぼ.....
沼津の少年愛
金色のススキを分けてゆく 同じ速さで日が沈む 風が私を吹き寄せる (さあ惜しまずに捨てなさい) 山にいるのに、海にいる いとしいな また目が冴える 私は私をばらまいて 海辺のきれいなごみになる .....
第七週
南の町の小さな白い家の玄関へと 北の町の鎖の錆びに体中まみれた二人がやって来て 西の町のストーブもないのに暖かなパン屋の袋を抱いて 東の町で腐るほど作られているずっしり重い革袋とともに 反故郷なるタイトルで市役所のロビー.....