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中継室を訪れている永瀬拓矢六段に、【図】の現局面について見解をうかがった。
△３七角成の飛車取りを逃げずに▲３三桂成と踏み込んだが、いったい局面はどうなっているのだろうか。
△３七角成の飛車取りを逃げずに▲３三桂成と踏み込んだが、いったい局面はどうなっているのだろうか。
永瀬六段「先手を持ってみたいですが、後手がよくなってもおかしくありません。△２一飛▲３二成桂△５一飛は▲４二歩くらいでも分かりません」
明言を避けたが、今まさに形勢が大きく動こうとしている勝負所を迎えているとのことだ。
上田女流三段は両取り逃げるべからずで、いまのうちにポイントをあげたい。先手は桂歩を持っているので、終盤で▲９五歩△同歩▲９三歩△同香▲９四歩△同香▲８六桂や▲８四歩△同歩▲８三歩△同銀▲７五桂と手筋の攻めを狙いたい。（以上、棋譜コメントより引用）
（モニターを見ながら考え込む永瀬六段）（梅）
中継室を訪れている永瀬拓矢六段「先手がよくなりましたね。進行の一例は、△４九香成▲８三歩成△同玉▲８五香。受けられても、▲７五桂と追撃できます。そして、先手は上部から攻めると自玉の上が手厚い形になって安全度が上がる点も大きいでしょう。上から攻めた後、竜で横からも攻めれば厳しい二方向からの攻めとなります」
（この後、永瀬六段は別棋戦の番勝負が行われている横浜に向かった）
（梅）
（有利に進めている上田女流三段）
【図】の現局面は、▲１二竜と指した現局面。
後手は４九金・３八銀の防波堤を崩さなければ１九竜が働かない格好なので、△４九香成と金を取りたいところ。
しかし、ここで△４九香成と取ると、▲１二竜と引いていた効果で▲５一馬△同金▲８三歩△同玉▲７五桂△８二玉▲８三金【参考図１】と後手玉は一気に寄ってしまう。
ならばと、上記の▲５一馬と取られる筋を逃れるために△５二金直としても、▲８六香と打つ手が厳しい。
後手は歩切れのままでは受けきれないので△３六馬と歩を取っても、▲８三歩△同銀▲７五桂の攻めがある。【参考図２】
（梅）
14時33分、77手目▲４七香の局面で長谷川女流二段が投了し、上田女流三段の勝ちとなりました。消費時間は▲上田１時間24分、△長谷川２時間20分。
（勝利した上田女流三段）
上田女流三段「想定された角交換四間飛車、予想していた形とは少し違ったのですが自然に上手く対応できたと思います。途中で桂を逃がせる形になって指しやすくなったかと思いましたが、駒が当たっているところも多かったので本当によかったかは分からないですね」
－「２回戦に向けての抱負をお願いします」
上田女流三段「１回戦は比較的いい内容で指せたと思うので、次もいい内容に出来るよう頑張りたいと思います」
（敗れた長谷川女流二段）
長谷川女流二段「△６四角がやりすぎだったのかもしれません。思ったよりも玉頭攻めが厳しく、ゆったりとした将棋にした方がよかったでしょうか」
（梅）