（両者は定刻に余裕を持って対局室に戻っていた）

（手番の里見女流五冠）

（上田女流四段も手番ではないが、再開前から真剣な表情）

（再開の声がかかると直ちに△９五同香と指した）

（上田女流四段も眼鏡をかけるとすぐに盤上に手を伸ばした）

（午後の戦いが始まる）

（飛龍）

上図は昼食休憩前、△５四角に２九から▲９九飛と回ったところ。△７六角▲９六歩以下、13時過ぎには下図まで進みました。

先手は香を手持ちにしていますが、飛車が歩越しになりました。互いに主張はあるでしょうか。

（上田女流四段は手に乗って飛車を大転回した）

（飛龍）

里見女流五冠は９筋を破りました。対して上田女流四段も玉の早逃げからカナ駒を取られないようにしています。

（里見女流五冠は端を破ったが、自玉が薄く気を抜けない）

（飛龍）

里見女流五冠は40分を超える長考で香取りに△６五歩と突き出しました。▲６五同桂に△５四歩で、△５五歩～△５六歩と根こそぎ取る順を見ています。対して上田女流四段は▲７三桂成と王手で香筋を通しました。

以下、激しく殴り合って下図。詰むや詰まざるやの終盤に入ってきています。


（里見女流五冠は寄せ合いを抜け出せるか）

（飛龍）

図の局面は△３八桂成▲同銀△４八金までの詰めろ。▲３九金や▲４八金には△７三歩と受けに回って▲５二馬△同銀と角の入手を催促する手もあります。図までの消費時間は▲上田１時間58分、△里見２時間41分。

（時間の面では優位に立つ上田女流四段。より速い攻めを繰り出せるか）

（飛龍）