(インタビューを受ける飯野愛女流2級)
―― デビュー戦を前にした朝の心境を教えてください
今日、ここに来るまでは大丈夫でしたが、部屋に入ったとたんに緊張してしまって。これまでは記録机の前に座っていたのに、今日はこちら側なんだなと思うと、とても不思議な感じがしました。
―― 対局は残念な結果になりましたが
矢内先生が相手なので、厳しいデビュー戦になると覚悟していました。時間の使い方も問題でした。持ち時間の3時間をどう使えばよかったのか。私は長考派なので時間を残すことだけはないと思っていましたが、実際は30分以上残してしまいました。反省しています。
―― 本局を振り返って
先手と後手の両方で作戦を考えてきました。指したい形もたくさんあったんです。でも、研究の本線は初手から▲7六歩△3四歩でした。本譜の▲2六歩△3四歩▲2五歩△3三角も考えていましたが、以下▲7六歩△2二飛に(1)▲9六歩とかけ引きをする展開を中心にしていて、(2)▲6八玉は準備不足でした。
それもあって、本局はずっと指しづらさを感じていました。手厚い棋風の矢内先生に対して、本譜の駒組みではまずいとも思っていました。
―― チャレンジマッチから今日までを振り返って
チャレンジマッチも一次予選もそうですが、いい将棋が指せればと、それだけを考えて指していたので、ここまで来られるとは思っていませんでした。今日は結果も内容も残念なものでしたが、次に生かせればと思います。3時間の将棋を指せたことも大きな経験になりました。
(文字起こし・牛蒡、写真・紋蛇)
(終局直後)
(リードを奪い、一気の寄せを決めた矢内女流四段)
――一局を振り返っていかがでしょうか。
玉が堅い状態で戦いにできそうだったので、あまり難しいことを考えずに指していければいいのかなと思っていました。ただ、▲34角打ったあたりは凝りすぎだったかもしれません。
――本格的な戦いに入ってからは。
割と自信のある戦いでした。玉が堅いので、強い戦いがしやすいなと。
――勝ちはどのあたりで
5二馬と4五角の連携ができたあたりです。駒損もしていないですし、攻めもつながりそうだなと。
――二回戦の抱負をお願いします。
二回戦も今日みたいに落ち着いてさせればいいなと思います。
(飯野女流2級。ほろ苦いデビュー戦となった)
――一局を振り返っていかがでしょうか。
交換(△3五歩)してしまったのが、飛車をまわられて。交換しないで、銀をひいて54に立て直すような将棋にするべきでしたか。
――3五歩以降は苦しいですか?
そうですね。それ以降は苦しい戦いにしてしまいました。
(紋蛇)
終局時刻は14時54分。消費時間は▲矢内1時間36分、△飯野2時間26分(持ち時間、各3時間)。
△6二銀と飯野女流2級は粘りましたが、▲6三角成△同銀直▲同馬△同銀▲6二金が鋭い寄せ。
![20131009iinoyauchi73.gif](https://book.mynavi.jp/files/user/img/brand/shogi/mynavi-open/blog/import_mjo/20131009iinoyauchi73.gif)
「金なし将棋に受け手なし」の格言に沿った手。後手は▲7一銀と▲6三金の受けが難しいです。
(紋蛇)