一直線の攻め合いで激しい終盤戦になっている。先手玉は危険な状態だが詰めろではないため、ここで駒を渡さずに詰めろの連続で迫ればいい。そもそも後手玉は現時点でかなり危険な状態なのだが、▲7二馬から追うのは8三~7四~6五の逃走ルートが広く、捕まえきれない形だ。そこでどう詰めろをかけるか考えることになる。たとえば▲6二成桂は△同金なら▲7一角、放置すれば▲7二成桂から詰む「強い詰めろ」だ。しかし△8一金と受けられたときにどうか。以下▲7二成桂△同金▲6二金△8一金▲7二金△同金▲6二金△8一金......と進むと、これは千日手コース。明快な寄せがないと、今度は先手玉に危険が迫る。
先手がこの展開を不満と見れば別の寄せ方を選ぶだろう。さらに、後手にも▲6二成桂に一例として△6三歩▲同馬△8一金▲7二成桂△同銀という受け方があり、千日手を拒否する手段がある。千日手の筋は決して先手の権利ではないということだ。15時18分、古河女流二段はこの局面で30分以上時間を費やしている。
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古河女流二段は7四に金を誘い出してから▲4四角と決戦。角を持てば▲4一角があるというわけだ。本譜、ここからの進行がすさまじい。
△4七歩 ▲同 飛 △4六歩
▲同 飛 △4五歩 ▲2二角成△4六歩
▲1一馬 △8三銀 ▲2一馬 △2八飛
▲7九香 △2九飛成▲7五歩 △同 金
▲6四桂 △6六歩(下図)
飛角交換から桂香を取り合い、局面は一気に加速する。そして長谷川女流二段は▲7五歩に平然と△同金、▲6四桂にも△6六歩と強く応じた。囲いの金銀の枚数では劣る後手だが、一歩も引かない攻め合いに出ている。頼みにしているのは9筋の拠点だ。将来△9七桂など、駒を打ち込む手が厳しくなる。焦点はここで▲5二桂成と飛車を取れるかどうか。すでにどちらが先に詰むか、精度の高い読みが要求されている局面だ。古河女流二段が時間を使っている。
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