（終局直後）


（里見女流四冠はタイトル奪取まであと１勝）

―― 本局を振り返って
里見　序盤戦はまずますだと思っていましたが、途中から自信がなくなりました。相手の駒を押さえ込めると思っていたのですが、押さえ込めなかったので。先手玉が堅い状態で駒がぶつかる展開にしてしまいました。▲２二歩（69手目）の局面も自信がありません。しかし、具体的にはちょっと......（どこが悪かったのかわかりません）
―― 横歩取りは予定でしたか
里見　そうですね。（20手目△８二飛について質問されて）力戦になるので。
―― 優勢を意識したのはどのあたりでしたか
里見　△８四飛（90手目）と回ったところで。何があるかもしれないと怖かったのですが、勝つことができました。
―― 第３局に向けて
里見　しっかりと準備をして、自分の力を出し切りたいと思います。



（上田女王は追い詰められた）

―― 本局を振り返って
上田　横歩取りで△８二飛（20手目）と引かれる形はあまり経験がなかったので、序盤から一手一手が難しかったです。▲２二歩（69手目）のあたりでは何かありそうな気がしましたが、具体的にはわからないですね。
―― 横歩取りは意外でしたか
上田　△８四飛型や△８五飛型はあるかなと思っていたのですが、△８二飛型は予想していませんでした。
―― 苦戦を意識したのはどのあたりでしたか
上田　飛車を回られたところ（90手目△８四飛）は足りないと思いました。▲４三歩成（81手目）は手拍子だったかなと思っていますが、具体的にはわからないです。簡単に角を取らせないように指すべきだったかもしれません。
―― 第３局に向けて
上田　一局一局に対する自分の意気込みは変わりません。第３局もがんばりたいです。







（牛蒡）

▲４三歩成△同金で図の局面。石田四段の形勢判断は本局はじめて「後手優勢」まで傾いた。先手は飛角銀の働きが弱く、これ以上の厳しい攻めがないとみられている。本譜は図から▲２四歩と手を作りにいったが△８七歩成が厳しそうだ。後手は７筋方面に攻め駒が集中している。両者とも残り時間が少ないため、このまま一気に決着まで突き進む可能性が高い。

70手目の局面。後手が序盤のリードを維持し続けている。「△５五歩（62手目）と押さえてからは後手ペースだと思います。先手はその前に動きを見せたかった」と中村修九段。上田女王は後手玉の薄さをついて反撃したい。



（対局再開時の上田女王）

（牛蒡）

58手目の局面。Twitter解説の石田四段は「後手やや有利」から「互角」に形勢判断を戻した。鈴木女流二段は「むしろ先手を持って指してみたい」という。形勢の針は先手側に戻ってきたか。
ちなみに鈴木女流二段は「香奈ちゃんの狙いがわからない」と検討中に何度かもらしている。読み筋が合わないようだ。上田女王はどのように感じているのだろうか。

（鈴木女流二段）



（牛蒡）