―― 本局を振り返っていただけますでしょうか。
西山 序盤から押さえ込まれる形になってしまって、いったんはしのげたかなと思ったのですが。途中は逆にこちらが制圧できたところもあったと思います。ただ急かされて反撃されたところは、自信がないです。
―― 途中まではペースを握っていたと思うのですが。
西山 桂を2枚設置(▲8六桂・▲6六桂)されたところは、玉頭戦で分が悪い形かなと。
ただ、先手からの決め手が見えなかったので。
―― 長い終盤戦でしたが。どのあたりで勝ちを意識されましたか?
西山 最後の金を打ったところ(134手目△6九金)で、詰みが見えたので。
―― 第1局は敗れましたが、そこから3連勝で初タイトル獲得となりましたが。
西山 まだ気持ちの整理がついていないのですが、ずっと苦しい戦いだったので。女王という重みのある大事なタイトルなので、頑張らなくてはいけないなと思います。
―― 五番勝負を振り返って、どこで流れをつかんだと思いますか。
西山 第1局を負けて、番勝負が0-4(第4期女流王座戦五番勝負で、3勝0敗で加藤が勝っている)になってしまったので。第2局で勝つことができて、だいぶ気が楽になりました。2連敗でカド番になってしまったら、どうしようと思っていたので。
―― あらためて五番勝負の勝因は?
西山 全体を通して、形勢判断をしっかりするように考えていたので、それがよかったのかなと。
―― 本局を振り返ると。
加藤 昼食休憩から再開して、香得したはずなのに、後手の得のほうが大きかったなと。ちょっと序盤の方針がおかしかったなと思います。桂を2枚(▲8六桂・▲6六桂)並べたところは勝負になったかなと思うのですが。ちゃんと読んでいなかったのに、▲2四飛(105手目)といってしまって。自玉の安全度との兼ね合いをちゃんと見えていなくて。△8七角(126手目)はダメだと思います。
―― 女王失冠という結果になりましたが。
加藤 第5局がないことが、残念です……。また来期、頑張りたいなと思います。
(吟)