■加藤桃子新女王へのインタビュー
── 今日の一局を振り返っていかがでしたか?
受けに回る展開になって自信はなかったんですが「難しい」と思って指していました。途中は駄目にしたと思うんですけど、その後、勝負手を放って逆転できて良かったです。
── 「勝負手」はどの辺りですか?
△3二玉(102手目)と上がって、悪いかも知れないけど粘れたので......その後も自信はなかったんですが流れが来たかなと。
── 今シリーズを振り返ってどうでしたか?
どの対局も充実していて、自分自身の課題も見つかりました。反省しないといけない部分がいっぱいありますけど、少しだけ成長できたかなと思います。
── 今朝はタイトルを意識して、緊張などはありましたか?
前日あまり眠れなかったので体力が心配でしたけど、「いつも通り指そう」と心掛けたのが良かったと思います。
■里見香奈女流二冠(前女王)へのインタビュー
── 今日の一局を振り返っていかがでしたか?
途中で少し勘違いして攻めにくくしたかなと思ったんですけど......はっきり良くなった局面で悪手を連発してしまったので、そこは少し残念ですね。
── 「悪手を連発」というのは具体的には?
△3三桂(96手目)に単に▲4六飛と引いておくか、△6五金(106手目)と打たれたときに▲7六銀△同金▲4六飛打とか......残していると思ったんですが焦ってしまいました。
── 体調のことがあっての防衛戦でしたが、シリーズを振り返っていかがでしたか?
第1局、第2局は序盤で悪くしてしまい、第3局、第4局の作戦は上手くいったと思いますけど、良くなってからがちょっと......特にこの一局(第4局)に関しては大分乱れてしまったので、そこを反省して次につなげたいです。体調もゆっくり休んで万全な状態で対局できるよう努めたいと思います。
(夏芽)
終局直後のインタビューを終えた両対局者は、関係者に誘導される形で4階の大盤解説会場(多目的ルーム)へと向かいました。
■久保利明九段の総括
加藤さんの方は受けの手が多く、なかなか攻める展開にならなかったんですけど、その受けて辛抱し続けたのが勝利に結びつきまたね。ポイントとしては、101手目▲5三金に△3二玉と上がった局面で▲6五飛と回れば攻めがつながっていたと思います。本譜(▲4二金)でも優勢が続いていたと思いますが、そこから少しずつ攻めが細くなり、差が詰まったのかなという印象です。両者の戦いは今後も続いていきますが、この一局は本当に良い将棋で、年間名局賞と言ってもいいぐらいの熱戦でした。
(両対局者が大勢のファンの前で感謝の言葉を述べました)
(夏芽)