▲6四歩の局面で12時10分となり昼食休憩。昼食休憩までの消費時間は▲里見女流三冠45分、△加藤女流王座1時間25分。対局は13時より再開される。
(吟)
▲6五歩までの前例は▲中原誠十段-△加藤一二三九段戦(1976年12月、十段戦第5局、肩書は当時)。まだ両対局者が生まれる前、さかのぼること35年前だ。▲中原-△加藤戦は▲6五歩以下△5五歩▲同飛△5四歩▲4五飛と進行した。
古い将棋ではあるが、両対局者の頭の中にはインプットされているのだろう。
(吟)
女流棋戦に参加するときは里見は女流三冠(女流名人・女流王将・倉敷藤花)、加藤は女流王座という肩書きで対局を行う。普段は両者とも奨励会1級という級位。
奨励会とは三段から6級までで構成されており、二段までは東西にわかれて行い、規定の成績を挙げると昇級・昇段となる。三段になると東西をあわせてのリーグ゙戦を半年単位で行い、上位二名が四段に昇段し、正式にプロ棋士となる。里見奨励会1級は関西に加藤奨励会1級は関東の奨励会に所属している。
満23歳(※2003年度奨励会試験合格者より満21歳)の誕生日までに初段、満26歳の誕生日を含むリーグ終了までに四段になれなかった場合は退会となる。ただし、最後にあたる三段リーグで勝ち越せば、次回のリーグに参加することができる。以下、同じ条件で在籍を延長できるが、満29歳のリーグ終了時で退会。年齢制限の壁とも戦わなければならない。
2012年1月号『将棋世界』誌において「棋士になって泣けるのは、まだ幸せなんだよ」と木村一基八段。「最終戦に負けたあと、対局室のベンチで1時間以上、泣いていた。(中略)みんな泣いているんだ」と野月浩貴七段は奨励会について語っている。
渡辺明竜王・王座、森内俊之名人、羽生善治王位・棋聖、久保利明棋王・王将、スター棋士も奨励会を卒業して、現在の地位に登りつめた。