感想戦終了後、18時から五番勝負に向けた記者会見が行われました。
なお、記者会見冒頭で、長谷川優貴女流初段が規定により女流二段に昇段したことが告げられました。以降は女流二段の肩書きで記載いたします。
【公益社団法人日本将棋連盟 谷川治恵理事】
「マイナビ女子オープンでは、チャレンジマッチという画期的な試みがなされました。そのおかげを持ちまして、一昨年にはチャレンジマッチから出場した、かわいらしい高校一年生のお嬢さんが、今期は挑戦者になったということで大変感銘を受けております。日本全国に将棋の強い優秀な女の子たちがたくさんいると思います。その子たち皆に大きな勇気と希望を与えてくれたと思います。素晴らしい新人が発掘されたこと、大変嬉しく思っております。五番勝負は大変楽しみにしております。本日はありがとうございました」
【女流棋士会 関根紀代子会長】
「マイナビ女子オープンの挑戦者決定戦ということで、アマチュアの方が大変興味を持って見ていただいたことと思います。私たちも、新旧が対抗する戦いと言うことで、とても興味がありました。ですが長谷川さんがこんなに強くなっていたことには本当に驚きました。これからも頑張って行くと思いますので、是非皆様の応援をよろしくお願いいたします」
【上田初美女王インタビュー】
――五番勝負に向けての抱負をお願いします
「私は昨年女王というタイトルを奪取してから、1年間をかけて次の防衛戦のために毎日精進してきたつもりでおります。その相手が清水さんであっても、長谷川さんであっても何も変わりはなく、自身の力を、全力で出し切れればいいかなと思っております。五番勝負、是非多くの方に見届けていただければと思います。よろしくお願いいたします」
【長谷川優貴女流二段インタビュー】
――五番勝負に向けての抱負をお願いします
「まだ挑戦者になったという実感はわかないのですが、まずは1勝を目指して五番勝負を頑張りたいと思っております。よろしくお願いいたします」
【上田女王への代表質問】
――挑戦者の印象を教えてください
「前期に対局したのは一年半ぐらい前のことだと思いますが、ずいぶん古いことのように思います。そのとき戦った子が、いま(挑戦者として)ここにいるというのはとても不思議なことに感じます。(長谷川さんの)今日の将棋を見て、非常にしっかりした内容で、第一人者である清水さん相手に力負けしない内容だったと思います。前回の対局のことは忘れて、しっかり対策を立てて臨みたいと思います」
【長谷川女流二段への代表質問】
――挑戦権を獲得された今の気持ちはいかがですか
「実感はあまりわかないのですが、やっぱり嬉しいです」
――今日の相手は女流棋界第一人者の清水さんでした。今日の将棋を振り返りつつ、清水さんの印象を教えてください
「序盤で苦しくしてしまって、その後巻き返せたかなと思ったのですが、難しくてわからなかったです。最後はうまく寄せられたかと思います。清水さんは、いつも序盤がうまくてリードしている印象でした」
――今期のマイナビオープンを予選から振り返っていかがでしたか
「序盤から悪くしてしまうことが多かったです。印象としては、今日の対局が一番残っています」
――上田初美女王の印象を教えてください
「昨年対局した際は居飛車穴熊で全て受けられてしまいました。今も凄く活躍されています。(それを意識せず)私は自分の将棋を生かせるように頑張りたいと思います」
――長谷川さんの将棋のセールスポイントを教えてください
「攻められるときに、どんどん攻めることです」
――五番勝負1局目は地元神戸の開催ですね
「地元で1局目ができると言うのは、嬉しいことと思いますし、ずっと思い出に残ると思います」
――今朝は緊張はされませんでしたか?
「最初のうちは緊張して手が震えました」
――今日の勝利を一番最初に誰に伝えたいですか
「将棋を教えてくれたおばあちゃんに伝えてあげたいと思います」
終局直後にインタビューが行われました。
(長谷川女流初段は緊張からか、か細い声でインタビューに必死に答えていた)
【長谷川優貴女流初段インタビュー】
――1局を振り返っていかがでしたか
「(45手目)▲7五歩と突いたところではいいかなと思ったのですが、△6五桂が見えていなくて。(49手目)銀桂交換では自信がなかったです。(51手目▲7三歩成で)と金ができてなんとかなるかなと思いました。終盤は難しくてわからなかったのですが、最後まで丁寧に指すことができました」
――勝ちを意識した局面はどのあたりでしたか
「(107手目)▲3四桂と跳ねたところで」
――五番勝負に向けての抱負をお願いします
「まだちょっと実感がわかないのですが、五番勝負に向けて勉強して行きたいと思います」
【清水市代女流六段インタビュー】
――1局を振り返っていかがでしたか
「序盤勝ちに行った手が危なかった(52手目、歩成から飛車を取らせたところ)。ハッキリよいと思っていたのですが、意外と差が開いてなかったのかもしれません」
――誤算があったと言うことでしょうか
「そうですね、思ったよりも先手玉に迫れなかったので。少し工夫が足りなかったかなと思います」
(八雲)
127手まで長谷川が制し、上田女王への挑戦を決めた。終局は17時3分、消費時間は▲長谷川2時間57分、△清水3時間。
(吟)