第２局は104手で室谷女流二段が制した。五番勝負は１勝１敗のタイになった。終局は16時47分、消費時間は▲加藤２時間59分、△室谷２時間39分。第３局は５月９日（月）東京都港区「YouＴube space Tokyo」で行われる。

（吟）

時刻はまもなく16時半を回るところ。局面は後手勝勢と見られています。加藤女王は受からないといわれていた６八の地点を玉で受けにいきました。状況が厳しいことには変わりありませんが、この頑張りが将来の糧になりそうです。

（八雲）

15時45分頃、室谷女流二段は飛車を馬を食いちぎり、返す刀で△３五角と打ちました。この順はツイッター解説の門倉四段も「後手が勝ちそう」と指摘していた順です。いよいよ決めに出た雰囲気です。△３五角を見た門倉四段は、形勢判断を後手勝勢に進めました。

門倉啓太四段＞【84手目】微妙な手順前後がありましたが、室谷女流二段が勝負を決めにいきました。この△３五角が絶品の攻防手で、後手がリードを広げています。(後手勝勢)


室谷女流二段は、最善と見られる踏み込みで決めにいった。タイトル戦初勝利が近づいている。

（八雲）

福島県のほぼ中央に位置する郡山市。人口は約13万9000人（４月１日現在の現住人口）で、福島県内ではいわき市と並び、トップクラスです。古代から存在する歴史ある地で、江戸時代には奥州街道の宿場町としても栄えました。市内には歴史的な名所が数多く存在するほか、東北新幹線や東北自動車道、国道４号線が通る交通の要所でもあり、福島県の観光の拠点しても利用されています。


対局室のある８階から市街を望む。視界の良好な日であれば、磐梯山や安達太良山が望めそうだ。


市内には公園が多数ある。こちらはホテルハマツから徒歩５分ほどのところにある21世紀公園。


色とりどりの花が競うように咲いていた。



（八雲）

ツイッター解説の門倉四段の形勢判断が動いたポイントです。

形勢判断に差がついたのは、午前中の仕掛けの局面でした。

門倉啓太四段＞【37手目】▲２四歩から▲４六歩は驚きました。先手はもう穴熊にせず、この玉形のまま戦うつもりです。ただ、△４六同歩▲同飛△４二飛として次に△６六角から大さばきを狙って、後手がまずまずに見えます。(後手やや有利)

続いて、おやつが運ばれた14時半頃の局面で「やや有利」から「有利」に変わります。

門倉啓太四段＞【53手目】▲４四歩は実戦的な手渡しですが、△４八歩成▲同銀△６五銀とされると困っていると思います。(後手有利)

さらに２手進んだところで「後手優勢」と、差が広がっているという見解です。ただし、加藤女王の粘りも予想しています。

門倉啓太四段＞【55手目】玉を固めながら▲６八銀引の余地を作りました。第1局でも粘り強く指して逆転に成功した加藤女王ですので、このまま押し切られてしまうとは思えません。ただ、局面自体は△５六歩▲６八銀引△４八歩成で後手が優勢です。(後手優勢)


苦戦と見られている加藤女王。巻き返すことができるか。

（八雲）