矢倉△4五歩反発型の謎 ~なぜ▲4六銀・3七桂型は滅んだのか?~|将棋情報局

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講座 矢倉

矢倉△4五歩反発型の謎 ~なぜ▲4六銀・3七桂型は滅んだのか?~

発売日:2016-06-24

販売元:マイナビ出版

判型:四六判

ページ数:224ページ

難易度:初級~中級

ISBN:978-4-8399-6012-4

★サイン本は完売しました

本書は、数十年にわたって続いた矢倉の基本形▲4六銀・3七桂型を根底から覆し、矢倉戦法を百花繚乱の戦国状態に陥れた張本人「矢倉△4五歩反発型」について解説したものです。

現在プロ間ではこの△4五歩反発型が非常に優秀であるため、▲4六銀・3七桂型は使えないことが当たり前になっており、すでに早囲いなど他の形が模索されています。

本書にも書かれている通り、▲4六銀に対する△4五歩自体は昔からあった手です。
しかし、この歩を突くと後手が苦しくなる、という結論に達したのが2009年。その前提のもとに▲4六銀・3七桂型が矢倉の主戦場になり、いわゆる銀損定跡や91手定跡といった研究が進みました。

そのような状態の中で、それでも△4五歩はあるのではないかと秘かに研究を続けていたのが本書の著者である塚田泰明九段です。準備を整え2013年の6月に遂に△4五歩と突いて、勝利を収めます。その後△4五歩反発型の優秀性が見直され、矢倉の景色は一変してしまいました。しかし、長い間▲4六銀・3七桂型に親しんできた多くのアマチュアファンにとって、「なぜ△4五歩反発型で▲4六銀・3七桂型は滅んだのか」はきちんと説明されないまま、「謎」として残っているのが実情ではないでしょうか?
その謎の解明を△4五歩復活の口火を切った塚田泰明九段本人が解説したのが本書です。

△4五歩反発型の基本コンセプトは「後手番でも攻め合う」ことだと塚田九段は言っています。本書では▲4六銀に対する△4五歩の反発はもちろん、▲4六銀に代えて▲2六歩とした場合、▲1六歩とした場合も詳細に解説、すべての場合において後手番でも攻め合いで互角以上になることが明らかにされています。

本書を読めば、「なるほど、そういうことだったのか」と納得でき、矢倉戦法の理解が一層深まるはずです。
矢倉の今を解明する一冊、本書を読まずして現代矢倉は語れません。

著者プロフィール

  • 塚田泰明

    塚田 泰明(つかだ・やすあき)
    1964年11月16日生まれ。東京都出身
    1978年 4級で大内延介九段門
    1979年 初段
    1981年3月5日 四段
    1988年4月1日 八段
    2000年12月15日 九段
    相掛かりや横歩取りを得意とし「攻め100%」と言われるほどの豪快な攻めの棋風。 第2回(1983年度)、第6回(1987年度)早指し新鋭戦で優勝。第17回(1986年度)新人王戦優勝。1987年、第35期王座戦で中原王座を破り、タイトル戦初挑戦で獲得。2008年12月、通算600勝(将棋栄誉賞)達成。
    タイトル戦登場は2回、獲得は王座1期。棋戦優勝は3回。竜王戦は1組通算9期、順位戦はA級通算7期。将棋大賞は第13回(1985年度)技能賞、第14回(1986年度)連勝賞・技能賞、第15回(1987年度)技能賞、第42回(2015年度)升田幸三賞特別賞。
    著書に「塚田スペシャル物語」(日本将棋連盟)、「塚田泰明の将棋 遊心」(マイナビ出版)、「楽しい詰将棋 一級・二級・三級」(成美堂出版)などがある。