終局直後、両対局者にインタビューが行われた。
タイトル戦初勝利を挙げた室谷女流二段。
【室谷女流二段の談話】
――矢倉流中飛車と呼ばれる作戦を採用されましたが、これは用意の作戦でしたか。
「そうですね。これにしようかなと思っていたのですけど、途中から外れて、そこからは手探りで指していました」
――戦いになって△4五飛(52手目)のあたりでは、後手がペースを握ったのではないかと控室で見られていましたが、ご自身はどのように感じていましたか。
「少し、指しやすいかなとは思っていたのですが、大駒がいろいろ近いのでどうなるかわからないなと思っていました。△4五飛のところは、玉が美濃囲いでしっかりしているので、そこそこ戦えるかなとは思っていました」
――勝ちを意識されたのはどのあたりですか。
「そうですね、△5八金(94手目)と、手堅く打ったところで、こちらにちょっと手掛かりがないのがわかって、という感じです。角を取って角を打ったところ(84手目△3五角)は決めにいっているので、決まらないとおかしいのですけど、思い切って踏み込んでいきました」
――タイトル戦初勝利を挙げた、いまのお気持ちは。
「とりあえず、ひとつ返すことができて、これで五番勝負が盛り上がっていったらいいなと、ほっとしています。第3局はYouTubeのスタジオということで、時間も違ったりとか、いろいろな面でいままでと違うので……楽しみながら第3局を指したいと思います」
「早い段階で誤算がありました」と加藤女王。
【加藤女王の談話】
――▲2四歩~▲4六歩(37手目)と積極的に動いていきましたが、この戦型の経験はありましたか。
「経験はありましたけど、ちょっと誤算があって。昼食休憩前の本譜の順を軽視していたので、そこからは悲観して指していて。粘る方針でいきつつ、ペースを握れたらなと思ったのですが、△4五飛(52手目)と浮かれて、振り飛車が軽い形なので自信がないと思って指していました。そのあとも、ちょっとうっかりがあって。もっと頑張れたかもしれないですが、そこを逃がしたので、不完全燃焼な一局になってしまいました」
――1勝1敗のタイスコアとなりました。第3局への意気込みをお願いします。
「本局が、たくさん反省点があるので、そこを何とかしないとな、ということしか、いま考えられないです」
(八雲)