図は16時頃の局面。石橋女流四段が△5五歩と、竜と馬の焦点に突き出したところだ。どちらで取っても△6三桂がある。これが後手反撃の狼煙となるか。「突いたか。強いねえ」と櫛田六段。継ぎ盤に指し手を反映させていると、モニタに▲5五同竜が映された。「えっ! 取ったの? これは逆転するんじゃない」と控室に声が響く。上田女流二段の持ち時間が残り少ない。甲斐女王、櫛田六段が「先手焦っているのでは」と首をかしげている。ただし局面は依然として先手がよいようだ。対局の合間に控室を訪れた片上六段は、「10分あれば十分か」とボツリ。
(山口恵梨子女流初段)
(文)