図は15時35分頃の局面。熊倉女流初段は▲7七金と打ち、5六の飛車の包囲網を解きにいった。▲7八歩で土台を作り、▲7七金で飛車の発射台を作る。押さえ込まれそうだった飛車が、次に▲6六飛で一気に働いてきそうだ。ここへ来て、先手の視界が開けてきた感がある。矢内女流四段はここで時間を使い考えている。
「後手にいい手がありそうな気がします。ここは腰を落として考えたいですね。あ、もう落としてるのか」とは、控室を訪れた片上大輔六段。「▲7八歩~▲7七金はいい手だと思います。いい勝負ですね」と語った。
(片上大輔六段)
(陽が傾いてきた。空にはぼんやりと飛行船が浮かんでいる)
(文)