[将棋]マイナビ女子オープンブログ詳細|将棋情報局

将棋情報局

第6期 >> 一斉予選

マイナビ杯アマ将棋選手権棋譜

2012.07.31

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

マイナビ女子オープン一斉予選と同日に行われました「マイナビ杯アマ将棋選手権」各クラスの決勝戦の棋譜を公開します。


 


級位者の部 ▲大廣卓矢さん-△丸山智生さん



 

ama01.jpg


大廣さんが先手で▲7六歩△3四歩に▲8六歩と突いて角頭歩になった。これには丸山さんも意表を突かれたが、先手だったときは筋違い角をする予定でいたので力戦になるのは望むところだろう。
駆け引きの末大廣さんが桂得したかに見えたが▲8九飛が良くなく、△8三飛(図)で取りにくくなった。そうこうする内に取れるはずの桂が生還され、更に銀損になってしまった。しかし3二角、7二銀、8三飛の働きがいま一つのためこれでも大変な局面だ。
駒の取り合いから一段落した局面は駒の損得はないが生角の分だけ後手が悪そうだ。
丸山さんにとって最後の勝負手順は▲3七同金左に△3四歩と打った局面で、代えて△4八金と打てば先手としても嫌な形だった。
優勝した大廣さんは「2回戦はどうやって負けるかという将棋から逆転した。優勝できたのは運が良かった」と喜んでいた。


-------------------


初・二段の部 ▲皆川勝之さん-△高泉竜一さん



ama02.jpg 


相穴熊から後手の高泉さんが鋭く攻め込み、一気に寄せ切るかに見えたが、皆川さんも粘り強く指して熱戦になった。図は後手が攻めきるか、先手が受け切るかの局面。
「高泉さんが△1五歩と突いたのが実戦的な好手でした。香は取られても1歩を手にし、△6七歩など、攻めの幅が広がります。対して皆川さんは、直後の▲7九香が少しもったいなかったように思います」(佐藤和俊五段)


高泉さんの話「この大会は将棋世界を見て知りました。普段こんなに何局も指すことがないので疲れました。1局1局、苦しい局面があったので、優勝にはびっくりしています。来年も開催されたら、今度は無差別級に挑戦したい。」


-------------------


無差別クラス ▲宇田川道さん-△佐藤英明さん




ama03.jpg


優勝者 宇田川道(うだがわおさむ)さんの言葉
まさか優勝できるとは思っていなかったので、優勝は素直にうれしいです。
初めて行われる大会で優勝できたことは光栄に思います。
もし来年もこの大会があるなら、是非とも参加したいと思います。
ただ、勝ち残ると上(一斉予選)を見に行けないので、それだけが残念です。
決勝の将棋は、序盤からずっと苦しいと思っていました。
どこで逆転したかは分かりませんが、116手目の△4七香を怖いですが▲同玉と強く取って詰まないので勝ちになったかなと思いました。


ポイント局面
先手が▲6七馬と引き付けた局面。
先手の盤上の馬か、後手の手持ちの飛車か、という状態。先手の宇田川さんはここまでずっと苦しいと感じていたようだ。後手の佐藤さんも形勢に自信があったようで、ここで果敢に△9五歩と端攻めに出た。以下▲同歩△9八歩▲同香と進み、△9九飛と打った手を局後に佐藤さんは悔やんでいた。△8八飛と腹から打つべきだったと。以下、後手の無理攻めを的確に受け、先手優勢になったようだ。


佐藤和俊先生の講評
相振り飛車から角交換し、飛角交換の代償に馬を作る本譜の展開はプロでもたまに見られる形。中盤の方針が難しい戦いとなったが、後手の端攻めが、結果としてはやりすぎだったようです。終盤、先手の二枚飛車からの殺到に対し、後手の反撃も届かなかったようです。


-------------------


特設クラス ▲柳谷翔太さん△足立哲さん



ama04.jpg


 シニア以外のクラスが定員を超えたため、急きょ作られたのこのクラスには、14人が参加した。
 決勝戦は柳谷さんと足立さんの戦い。柳谷さんの先手で左美濃対四間飛車へと進み、玉頭から手を作った足立さんが優勢になるも、終盤で逆転負け。感想戦では、両者「ひどい、ひどい」を連発していた。


※シニアクラスの棋譜は後日公開します。