[将棋]マイナビ女子オープンブログ|将棋情報局

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マイナビ女子オープン一斉予選と同日に行われました「マイナビ杯アマ将棋選手権」各クラスの決勝戦の棋譜を公開します。


 


級位者の部 ▲大廣卓矢さん-△丸山智生さん



 

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大廣さんが先手で▲7六歩△3四歩に▲8六歩と突いて角頭歩になった。これには丸山さんも意表を突かれたが、先手だったときは筋違い角をする予定でいたので力戦になるのは望むところだろう。
駆け引きの末大廣さんが桂得したかに見えたが▲8九飛が良くなく、△8三飛(図)で取りにくくなった。そうこうする内に取れるはずの桂が生還され、更に銀損になってしまった。しかし3二角、7二銀、8三飛の働きがいま一つのためこれでも大変な局面だ。
駒の取り合いから一段落した局面は駒の損得はないが生角の分だけ後手が悪そうだ。
丸山さんにとって最後の勝負手順は▲3七同金左に△3四歩と打った局面で、代えて△4八金と打てば先手としても嫌な形だった。
優勝した大廣さんは「2回戦はどうやって負けるかという将棋から逆転した。優勝できたのは運が良かった」と喜んでいた。


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初・二段の部 ▲皆川勝之さん-△高泉竜一さん



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相穴熊から後手の高泉さんが鋭く攻め込み、一気に寄せ切るかに見えたが、皆川さんも粘り強く指して熱戦になった。図は後手が攻めきるか、先手が受け切るかの局面。
「高泉さんが△1五歩と突いたのが実戦的な好手でした。香は取られても1歩を手にし、△6七歩など、攻めの幅が広がります。対して皆川さんは、直後の▲7九香が少しもったいなかったように思います」(佐藤和俊五段)


高泉さんの話「この大会は将棋世界を見て知りました。普段こんなに何局も指すことがないので疲れました。1局1局、苦しい局面があったので、優勝にはびっくりしています。来年も開催されたら、今度は無差別級に挑戦したい。」


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無差別クラス ▲宇田川道さん-△佐藤英明さん




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優勝者 宇田川道(うだがわおさむ)さんの言葉
まさか優勝できるとは思っていなかったので、優勝は素直にうれしいです。
初めて行われる大会で優勝できたことは光栄に思います。
もし来年もこの大会があるなら、是非とも参加したいと思います。
ただ、勝ち残ると上(一斉予選)を見に行けないので、それだけが残念です。
決勝の将棋は、序盤からずっと苦しいと思っていました。
どこで逆転したかは分かりませんが、116手目の△4七香を怖いですが▲同玉と強く取って詰まないので勝ちになったかなと思いました。


ポイント局面
先手が▲6七馬と引き付けた局面。
先手の盤上の馬か、後手の手持ちの飛車か、という状態。先手の宇田川さんはここまでずっと苦しいと感じていたようだ。後手の佐藤さんも形勢に自信があったようで、ここで果敢に△9五歩と端攻めに出た。以下▲同歩△9八歩▲同香と進み、△9九飛と打った手を局後に佐藤さんは悔やんでいた。△8八飛と腹から打つべきだったと。以下、後手の無理攻めを的確に受け、先手優勢になったようだ。


佐藤和俊先生の講評
相振り飛車から角交換し、飛角交換の代償に馬を作る本譜の展開はプロでもたまに見られる形。中盤の方針が難しい戦いとなったが、後手の端攻めが、結果としてはやりすぎだったようです。終盤、先手の二枚飛車からの殺到に対し、後手の反撃も届かなかったようです。


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特設クラス ▲柳谷翔太さん△足立哲さん



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 シニア以外のクラスが定員を超えたため、急きょ作られたのこのクラスには、14人が参加した。
 決勝戦は柳谷さんと足立さんの戦い。柳谷さんの先手で左美濃対四間飛車へと進み、玉頭から手を作った足立さんが優勢になるも、終盤で逆転負け。感想戦では、両者「ひどい、ひどい」を連発していた。


※シニアクラスの棋譜は後日公開します。


 


 

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(女流棋士が退場)

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(大きな拍手で送られる)

本戦は9月17日(月・祝)から始まります。

本日の中継はこれで終了致します。
ご観戦まことにありがとうございました。

(野辺)

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枠抜け予想クイズの上位者に商品をプレゼントする企画が行われました。


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(女流棋士に上位者の投票用紙を引いてもらう)

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(残念ながら抽選の前に帰ってしまった人を引き当てた)

(野辺)

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■古河彩子女流二段
「皆さん誰が勝つか予想をされたと思うんですが、私のせいでかなりの方が外してしまったのではないかと思います。すみません(笑)。本戦は初めてなので、とても楽しみです」

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■石橋幸緒女流四段
「今日は体調が万全ではなくて皆さんに申し訳ないと思っていたんですけども、なんとか勝つことができました。本戦では自分らしい将棋を指したいと思います」
■中澤沙耶アマ
「石橋先生にはいろいろな大会でお世話になっています。正直言って自信はないのですが、力を出しきってがんばれればと思います」


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■西山朋佳奨励会2級
「昨年は緊張してしまったのですが、今年は落ち着いて自分らしい将棋が指せたかなと思います。熊倉さんとは初手合いなので、これから対策を練ってリードできるようにしたいです」
■熊倉紫野女流初段
「緊張していましたが以前と同じくらい指せたかなと思います。村田(智穂女流二段)さん、長沢(千和子女流四段)さんの分まで(特に対長沢戦は自玉に即詰みがあったので)頑張りたいと思います」


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■島井咲緒里女流二段
「今日は自分らしい将棋で力を出せたと思います。第一人者の香奈ちゃん(里見女流四冠)との対戦は久しぶり。8月には森門下(里見女流四冠と島井女流二段は森けい二九段門下の同門)の集まりもあります。姉妹対決はよい将棋が指せるようがんばります」

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■矢内理絵子女流四段
「(初めての一斉予選でしたね、と問われて)多くの方に見守られて楽しかったです。非常によい環境を整えていただけたなと思います。相手の斎田さんは安心して対局ができる相手。楽しい将棋が指せるようがんばりたい」

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■中村真梨花女流二段
「1回戦ではアマチュアの迎さんと対戦したんですけども、まだ12歳ということですが、非常にしっかりした将棋を指されていました。なんとか勝てて勢いに乗れました。鈴木さんとは女流育成会時代から対戦が多く、よきライバルだと思っています。よい将棋を指せるようがんばりたいです」
■鈴木環那女流二段
「(予選決勝でマイナビ史上最高記録の懸賞20本が懸けられた)見ないようにしてたんですけども、時計を見るたびにブルーの懸賞帯が目に入って、『いくらになるのかな、考えちゃいけない考えちゃいけない』と思っていました(笑)。中村さんは一番仲のいい女流棋士。勢いがある将棋を指したいです」

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■岩根忍女流二段
「1回戦が中井さんだったんですけども、中井さんには昨年の予選決勝でいじめられたので、今年はリベンジできてよかったです。(本戦は3年ぶりですね、と問われて)はい。抽選会も久しぶりですが、楽しいですね。ドキドキしました。できれば来年は参加したくないですけど(笑)。本戦は自分ができる将棋が指せればと思います」
■甲斐智美女流四段
「1回戦は秒読みを延々と続けていまして、ずっとちょっと負けてる将棋で苦しかったです。昨年は長谷川さんと持将棋になったんですけども、その将棋が非常に印象に残っています。岩根さんとの将棋は納得できるまで考えたいです」

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■貞升南女流1級
「抽選会で清水さんを引いて、オチみたいな空気なのですが(笑)。本戦は全力でぶつかっていきたいと思います。清水さんには2連敗ですが、内容はよくなっています。今度こそがんばりたい」

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(文)

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(『将棋世界』の田名後編集長が司会を務めた)

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(予選を一番で抜けた西山奨励会2級がトップバッター)

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(島井女流二段が引いた番号は......?)

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(今をときめく里見女流四冠の隣を引き当てた)

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(トーナメント表ができあがった)

(文)