上図は14時16分の局面。先手優勢です。ここまでの流れを阿久津八段に聞きました。
「大島さんは嫌な順を少しずつ気にして指したと思いますが、その結果、金銀が離れてしまいました。1図の後手陣は浮き駒が多く、バランスの取りづらい将棋です。実戦は△5三金としましたが、先手の穴熊は金銀3枚、後手は2枚で玉形に差がつきました。相穴熊戦でこの差は大きいです。△5三金以下、西山さんは自玉の堅さを頼りに、▲2六歩△同歩▲2五歩△4二角▲4五歩とさばきました。好判断だったと思います」
「上図まで進み、先手は次に▲3五歩△同銀▲4三歩成が厳しい攻めになりますが、後手はそれがわかっていても受かりません。先手優勢です」
(牛蒡)