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第17期 >> 挑戦者決定戦

囲み取材

2024.03.04

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感想戦後に囲み取材がありました。


――どのような気持ちで挑戦者決定戦に臨んだか。

数日前から少し眠れなくて。相手が三間飛車にすると思ったので、そのあたりを中心に検討しました。

――実際には横歩取りになった。

横歩取りは意外だったので、そのあたりは手が止まってしまいました。

――初挑戦を決めたいまの気持ち。

まだまだ実力不足なのですが、よい将棋が指せるようにしっかり準備したいと思います。

――西山女王とは2月19日の女流王位戦リーグでも対局している(西山勝ち)。どのような将棋だったか。

序盤は自信のない展開でした。終盤では詰みを見逃したり、ほかにも勝ち筋を何度も逃したりして悔しかったんですけど、熱戦にすることができたのはよかったです。

――当時の手ごたえはどうだったか。

中盤あたりはこちらが少し悪くて、(西山は)強い指し回しでした。中盤は修正していかないといけないかなと思います。

――五番勝負はどのような展望を描いているか。

西山さんはタイトルを何回も獲っている実力者。(自分は)まだまだ実力不足ですが、熱戦にできるようにしっかりと準備をして頑張りたいと思います。

――女流棋界の2強(西山女王、福間香奈女流五冠)、4強(+加藤桃子女流四段、伊藤沙恵女流四段)の構造を打破できそうか。

挑戦するからには相手に勝つ気持ちで、ひとつひとつ集中して頑張りたいと思います。

――タイトル挑戦で女流二段に昇段した。

素直にうれしく思います。それと同時に将棋の実力も上げていきたいと思います。

――女流棋士になった当時の目標と、いまの現在地を比べてどう思うか。

まさかタイトルに挑戦するとは思っていなくて、最初のころは少しずつでも勝ち上がっていければいいな、という気持ちでした。(いまの状況は)予想外でした。


――森信雄七段の一門のつながり、きずなについて。

困ったときには優しく声をかけてくださったり、少し道に迷ってしまったこともあるんですけど、ついてきてくれたり。とても優しくしてもらいました。

――道に迷ったとは、いつ、どのようなことで。

最初は東京・将棋会館の場所がわからなくて。

――あ、道に迷ったとは、そういうことですか。(人生の道、将棋の道と思っていた一同は爆笑)

たまたま通りかかった人に案内してもらって。誰だったかは覚えていないのですけど(笑)。

――福間香奈女流五冠や加藤桃子女流四段といった強豪を本戦で破り、挑戦にだどりついたことについて。

誰が相手でも一局一局、集中して丁寧に指すことを心掛けてきたので、それを生かすことができてよかったです。(相手の強さを)意識してしまうと手が伸びなくなってしまうので、そういったあたりは気にしないようにしました。

――最近の好調について、「何かが変わったことはない」と話していたが、何か思い当たる要因はないか。

コンピューターを使って検討する時間を増やした、ということはあります。いままではネット将棋だったりで実戦を指すことが多かったです。(コンピューターの検討では)序盤研究や終盤の指し手がとても勉強になります。

――コンピューターで検討する時間を増やしたきっかけは。

(実戦では)序盤で時間を使うことが多かったので、序盤研究で時間を短縮して、終盤で時間を使えるようにしたいと思いました。(始めたのは)1~2年ほど前だと思います。序盤であまり時間を使わなくなりました。

――女流棋界のトップは振り飛車党。居飛車党として挑戦することの意義や自負について。

居飛車は昔から指していて、とても思い入れがあります。その戦法で挑戦までいけたことはうれしく思います。

――森門下・広島出身の居飛車党には、山崎隆之八段や糸谷哲郎八段がいる。

山崎先生も糸谷先生も(自分とは)違うタイプかもしれませんけど、自分が絶対に読まない手を指されるあたりは、とても尊敬しています。

――研究の合間にどのような息抜きをしているか。

対局が終わったあととか、映画鑑賞をよくします。ミッション・インポッシブルはずっと好きです。

――西山女王が女流棋士になった2021年4月以降、西山、福間、加藤、伊藤の全員に勝ったことのある女流棋士はいない。西山以外の3人に勝っていることについて。

知らなかったです。(4人と指すときは相手を)少しは意識してしまいますけど、平常心で戦おうと思いました。



(牛蒡)