――本局を振り返っていかがでしたか。
「仕掛けられて収まったあたりは、歩得しているので少しいいのかなと思ったのですが――その後、押さえ込む展開にしたかったのですが△4四銀(54手目)とぶつけられてさばかれる展開になってしまい、そこからはあまり自信がありませんでした。△4四銀に▲6四歩と勝負したほうが良かったかもしれません」
――終盤は激戦でしたがいかがですか。
「ギリギリ打ち歩詰めの変化になっていたのですが、最後それで下駄を預けられたときに詰ます順が読み切れていなかったので、ちょっとわからなかったです」
【伊藤沙恵女流初段インタビュー】
――△5五歩(32手目)と仕掛けたあたりはいかがでしたか。
「ちょっとやりすぎたかと思います。もう少しなんとかなるかと思ったのですが、何か全部よくわからなかったですね」
――終盤はいかがでしたか。
「序盤悲観していたので、終盤はこれだけ勝負になれば何かあるかと思ったのですが……。最後△4八角(112手目)のところ△3七角と打って利かせて、こちらの玉が詰むかどうかという指し方もあったかもしれません」
(八雲)
図の局面で伊藤女流初段が投了。甲斐女流二冠がベスト4進出を決めました。終局時刻は17時21分。消費時間は▲甲斐3時間0分、△伊藤3時間0分。
(紋蛇)
詰むや詰まざるやが複雑に交錯する超難解な終盤が続いていましたが、図の局面でついに先手の勝ちがはっきりした、と検討陣が結論を下しました。歴史に残る激闘に間もなく幕が下ります。
(八雲)