矢内が△５二飛と回った局面。「▲７四歩△８四角▲７三歩成△同
角▲７九飛と回るのが、パッと見える攻めです」と高野五段。

（吟）

上田が▲３五歩と攻めた局面。後手のイヤミな所を
突いていく。△同歩▲同角△４四銀▲５三歩△同金
▲６五桂は△３五銀で角を取り▲７三桂成には、かま
わず△２五歩と突く。これは攻めている場所が違うの
で後手が良い。３五に銀を置いたまま△２五歩が突け
れば相当な迫力となる。

（吟）

△２五歩▲同歩に△３七歩と矢内が攻める。▲同桂ならば
△３六歩▲同銀△３六歩▲２七銀に△４四桂と先手で角成
を防ぐことができる。▲３七同金は△２五桂が見えているだけ
に取りにくいか。ただ矢内が突如攻め始めたことで変調では
ないかと声も聞こえる。上田はここをしのげば７三の角を質駒
にしており▲２四歩～▲３六桂などの楽しみも出てきた。

（吟）

矢内の△３六歩を▲同銀と取った瞬間ゆがんだ３七の金を直す
上田。△４四桂も面倒をみようとの方針を決めたようだ。

（吟）

「先手が良くなったと断言はできませんが、後手は思ったほどの
成果をあげることができませんでした。▲５三歩とたたきたいとこ
ろでもありますが、上田さんは▲２六桂の筋も考えているかもし
れません」と高野五段。

（吟）