いよいよ本格的な戦いが始まりました。金銀がにらみ合っている中央は互いに突破が難しく、手薄な端に目をつけています。西山女王が9筋に手をつけたところで▲9五桂(75手目)はなかなか見ない犠打。以下△同香▲8七桂△9七歩成▲9五桂△7三玉▲9七香△8五桂▲8八香と進んでいます。甲斐女流五段が桂を捨てたのはスピードアップのためでした。
桂が飛び交い、9筋と8筋の制空権を巡る攻防が続きます。中村太八段は「△9七桂成▲8四香に△8七角と打つか、単に△5二銀か△5四銀と受けるか。どちらでも後手が少し指せそうな感じがします」と見解を語りました。
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