▲７四歩（図）に△同銀は▲６四飛が角銀両取り。山根女流１級は受け一方では勝てないとみて、△２六歩と敵陣に攻め味を付けにいきました。先手が放置すれば△２七歩成▲同銀△２六歩▲３六銀△２七桂が厳しい攻め。▲２六同歩には△２五歩や△１六歩が予想されます。


（山根女流１級は終盤力を生かすためにも攻め合いの形にしたい）

（牛蒡）

図で実利を求めるなら▲７三香も考えられましたが、井道女流初段は▲７三桂で包囲網をしきました。▲８一とまでの詰めろです。対して山根女流１級は△６三金右と受けました。

「（１）△６三金右は粘りのあるいい手ですね。（２）△６三金直は▲６五飛△同歩▲６四香が厳しく、以下△６四同金▲同角が▲６一金の詰めろになりますが、（１）６三金右なら同じ変化で７二の地点が空いているので詰めろにはなりません。形勢は先手がいいと思いますが、勝負としてはまだわかりません」（中継室を訪れた渡辺大夢四段）

（渡辺大夢四段は日本将棋連盟モバイルの中継で進行を追っている）

（牛蒡）

図は△８三玉から△７四玉の逃げ道があります。後手の粘りもあって、先手の寄せが少しずつ難しくなっている印象です。先手が着地を決められるかどうか。寄せにてこずると△２六歩で先手玉も危なくなります。

（朝の井道女流初段。うまく寄せきれるか）

（牛蒡）

先手は大駒をすべて渡して寄せを狙いましたが、後手玉は中段でしぶとく生き残っています。穴熊が健在で後手の入玉も防いだとはいえ、先手よしとは断言できない状況になってきました。

（牛蒡）

図から▲７五銀△６二玉と進みました。成桂を抜けば後手玉は寄りません。山根女流１級が先手の攻めをかわしきって逆転に成功しました。

（牛蒡）