[将棋]マイナビ女子オープンブログカテゴリー一覧|将棋情報局

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夕方に入り、局面は終盤に差し掛かったところです。
控え室では、中盤で優位を築いた里見女流四冠がそのままリードしているとみられています。「▲4五馬と引いた形は▲7二歩や▲8三歩の攻めがあります。後手は全部受けるのは難しいです」と久保九段。後手に飛車を持たれていますが馬の位置がよく、歩の小技も利く形で先手が指しやすいようです。

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(取材陣に向けて局面の解説をする久保九段)

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(控え室には関係者からの差し入れが多く届けられている。写真はそのうちの1つ、備前名物「大手まんじゅう」。ほんのり甘酒の香りのするお菓子である)

(若葉)

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図は17時頃の局面です。

局面はいよいよ大詰め。1手争いの白熱した攻防が繰り広げられています。
数手前までは先手よしが控え室の形勢判断でしたが、決めに出た先手の指し手に後手がうまく切り返し、現局面はかなり際どい勝負になったとみられています。

後手の駒台に銀がのれば、△8六桂▲7七玉△7八飛▲6六玉△7七銀までの詰み筋が先手玉に生じてしまいます。△7八飛に▲8六玉と逃げても、△8八飛成▲8七歩△8五銀▲同銀△8七竜以下の順でやはり先手の玉は詰んでしまいます。現局面は△8二金打と打てば、後手の駒台の金が銀に換わりそうな形。先手の里見女流四冠がどのような手を用意しているのか、控え室では注目されています。

終局近しとみて、控え室の関係者の動きが慌ただしくなってきました。

(若葉)

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際どい、と言われた109手目▲7二銀の局面から△8六桂▲7七玉△8二金打と進めて上図。
里見女流四冠は▲6四角を用意していました。

下図の▲5四馬まで進むと、後手玉は▲8一金打△同飛▲同金までの詰めろ。△5四同飛にもやはり▲8一金打が残っているため、後手は受けが利きません。1分将棋の秒読みの中、難しい終盤を切り抜けた里見女流四冠の勝勢となりました。

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(若葉)

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マイナビ女子オープン五番勝負第3局は、129手で里見香奈女流四冠の勝ちとなりました。
これで挑戦者・里見女流四冠の3勝0敗となり、タイトル奪取となりました。女流五冠は史上初となります。

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(終局直後の様子。主催社によるインタビューが行われた)

(若葉)

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<里見新女王>

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―― 一局を振り返って感想をお願いします。序中盤はどのような印象でしょうか。

「序盤は指しやすいかと思ったのですが、途中から難しいかなと感じるようになりました。序盤の分かれはちょっとよかったかなと思います。

―― 具体的にはどの辺りでしょうか?

「▲6四歩(79手目)と打つことができてよくなかったかなと思いました」

―― 勝ちを意識したのはどの辺りでしょうか?

「本当に最後の、▲7二金(119手目)と打ったところです」

―― タイトル獲得となりました。感想をお願いします。

「同郷の人に限らずたくさんの人に応援していただいたので、その期待に応えられて嬉しいです」

―― 女流五冠の記録達成となりました。感想をお願いします

「すごく期待していただいていたので、そういう記録を作ることができて嬉しいです」



<上田前女王>

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―― 一局を振り返って感想をお願いします。

「女流名人位戦(第39期五番勝負第5局)と同じ戦型だったんですが、そのときとは少し変えてみようと思って指していました。
対局中は、6五の位を取らせちゃいけなかったのかな、と途中で後悔しながら指していました。もう少し早く私の方から△6四歩と押さえないといけなかったかなと反省していました。位を取られてから、少しずつ模様が悪くなっていったように思います」

―― 負けを意識したのはどの辺りでしょうか?

「ずっと苦しかったので、具体的にどこというのはないです。どの変化も少しずつ足りない変化が多かったように思います。もっと序盤で何かしないといけなかったかのかもしれません。相手の駒が前にきはじめてからはかなり苦しいと思います」

―― いまの気持ちをお聞かせください

「結果は結果なのでしょうがないなと思います。私自身まだまだ足りないところがあると自分でもわかるくらいたくさんあるので、この2年間の経験を生かしてまた戻って来れるようにがんばります」


(若葉)