（鳩森神社。1150年以上前に創建された歴史ある神社だ。横の道はいわゆる鎌倉街道で、こちらも歴史が古い）

（鳩森神社）

（鳩森神社内にある将棋堂。駒師の香月師が作製した大駒が奉納されている。香月師の駒が本局で使用されている）
 

細かい動きの続く本局。室谷女流二段が左銀をするする繰り出して中央を制圧しました。清水女流六段は歩切れを解消できましたが、別の代償を負った格好でなかなか好転しません。解説の及川六段は「室谷さんが丁寧な指し回しで差を広げています」と話します。第１図以下▲４七銀引△３五角▲３八飛△４六銀（第２図）。後手の駒が少しずつ前進しています。△３七歩から△５七歩成という５筋突破まであと一歩です。（銀杏）


（調子よく駒を前に進める室谷女流二段）

室谷女流二段がリードを広げています。いかに中飛車といっても、明快に中央突破できることはまれです。室谷女流二段の指し手の巧妙さが見て取れます。清水女流六段は図で▲４六歩と我慢。先手苦しい局面です。室谷女流二段は▲４六歩に△６八成銀▲同金△５九飛成と成り込んで寄せを狙います。（銀杏）

加藤桃子女王への挑戦を目指す第９期マイナビ女子オープン準決勝の▲清水市代女流六段－△室谷由紀女流二段戦は、16時28分に100手で室谷女流二段の勝ちとなりました。消費時間は▲清水３時間、△室谷２時間36分。勝った室谷女流二段は挑戦者決定戦で西山朋佳奨励会三段と対戦します。（銀杏）

（終局直後の両対局者）

（終局直後の室谷女流二段）
「じりじりとした将棋でよく分かりませんでしたが、丁寧に指そうと決めて進めていました。攻めの銀が４六に出られたところでよくなったと思いましたが、そこまではよく分かりませんでした。
（西山朋佳奨励会三段との挑戦者決定戦について）終わったばかりなので何も考えていませんが、大阪にいたころによく指しましたし、小・中学校での後輩でもあるので楽しみです」

（清水女流六段）
「趣向を凝らしたのですが、手得が生かせない将棋になってしまい、歩損だけが残ってしまいました。そこからはいいところがなく、申し訳ない気持ちです」

（及川六段が感想戦を見守る）
（銀杏）