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甲斐倉敷藤花は1~3筋が凝り形となっていますが、上図は凝り形には触らずに△7三桂~△8四歩と進め、▲6八金寄までの局面。△2二飛と歩を払うと▲2五歩(参考図)が痛打になります。△2五同銀なら▲3三銀成と殺到して先手よし、△2五同桂には▲4三銀不成が飛車金両取りです。

そこで甲斐倉敷藤花は△7五歩と突き出しました。残り時間は▲里見54分、△甲斐23分。


(甲斐倉敷藤花は凝り形を残す順で辛抱した。玉頭方面で勝負したい)

(飛龍)

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△6五角までの残り時間は▲里見26分、△甲斐7分。

(マイナビ特製マグカップ)

(飛龍)

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図の△8五飛の考慮中に甲斐倉敷藤花が一分将棋に入りました。棋士室では「すごい局面になっているじゃないですか」「ひょえー、飛車打ったんや」の声が上がっています。里見女流三冠の残り時間は25分。

(自らは崩れない指し手を続ける甲斐倉敷藤花)

(飛龍)

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里見女流三冠が相手の飛車を閉じ込め、自玉への攻めも警戒しながら相手玉に迫っています。以下、△6二桂▲7六歩△同角▲5二飛成△8六歩▲7七金△5四角と進んで残り時間は▲里見10分、△甲斐0分(一分将棋)。


(終始ペースを握る里見女流三冠は決めきれるか)

(飛龍)

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終局直後、簡単にインタビューが行われました。

【里見香奈女流三冠】

――一局を振り返って。30手目△5四角のあとに長考されていました。

「前に似たような形を指していた(※注)と思うのですが、そのとき逆を持って▲3六歩と突かれて嫌だったので。(31手目)▲3七銀と上がったら△3五歩と突かれるので、そのあとのことを考えていました」

※注 2013年1月、大和証券杯ネット将棋・女流最強戦の▲千葉涼子女流四段-△里見女流四冠戦(肩書きは当時)。27手目の局面は同一で、以下△7一玉▲3六歩△6三角の進行だった。

――ある程度、成算があったのですか。

「そうですね。本譜みたいに進むだろうと。飛車浮き(37手目▲2六飛)で少し指しやすいだろうと思っていました。具体的に攻めていく順が分からなくて、じっとしていたのですが、(58手目)△7五歩と突かれてちょっとおかしくしているかもしれないですね」

――57手目▲6八金寄のところですか。

「代わる手も分かりませんでした。思い切って攻めていくのだったかなあと思って……」

――63手目▲2五同飛と切った辺りの感触は。

「自信はなかったのですが、実戦的には大変かなと思っていました」

――勝ちを意識した局面は。

「やはり最後の、(95手目)▲8四歩と垂らした辺りです」

――相手は決まっていないですが、2回戦の抱負をお願いします。

「一生懸命頑張って、対局に臨みたいと思っております」

――ありがとうございます。


【甲斐智美倉敷藤花】

――30手目△5四角など一局を振り返って。

「(△5四角は)この局面になったらやってみようと思った手でした。本譜は少しずつ形が悪かった気がします。本当は(35手目)▲2四歩を△同歩と取りたかったのですが、2四銀があとあと残ってしまって。(45手目)▲5五銀から出てこられて、1二飛も使えなくなってしまいました。もうちょっと前の段階で勝負に行ったほうがよかったかなと思いました」


(終局後まもなくの両者)

(飛龍)