この局面で甲斐女流二冠が３分程考えたところで12時10分となり、昼食休憩の時間に入った。

（後手側から見た実際の盤面。一番右の９筋が気になるところだ）

（対局時計を見ると、昼食休憩時点で両者に残り時間の差はほぼ無い）

△４二金上～△４一金～△４二金上と金の上下運動で待つ後手に対して、先手も▲６九飛～▲９六歩と様子を見ていたが、いよいよ▲６五歩と仕掛けて開戦。

▲６五歩に△６二飛と回って受けられたところで、甲斐女流二冠の手は端に伸びた。

単純に▲９五歩△同歩▲同香△同香▲同角と交換する順は、最後の▲９五同角が６二飛に当たる算段だ。

先手の甲斐女流二冠が▲６五歩の仕掛けを見送って▲６九飛と様子を見たのに対して、後手の今井アマは先ほど△４二金上と上がったばかりの金を△４一金と引きました。

これは、千日手を含みにしながら、先手にやってこいと言っている形。

まるで歴戦のベテラン棋士を思わせるような、冷静沈着な指し回しです。

甲斐女流二冠は、どう対応するのでしょうか？

今井アマの居飛車に対して、甲斐女流二冠は▲５八飛と中飛車に構え、対抗型となった。【１図】

先手玉の囲いは、美濃。これを見て、後手はどう動いてくるか。【２図】

後手の今井アマは、２枚の銀で中央をガッシリと受けて応戦。どこか古風な印象も受ける序盤戦となっている。【３図】

（10時になり記録係から定刻が告げられると、両者は「宜しくお願いします」と深く頭を下げ、対局が開始された）

（初手は▲７六歩）

（２手目、後手の今井アマは△８四歩と居飛車を明示した）

（甲斐女流二冠は、中飛車を採用した）