（終局直後の様子）


◆清水女流六段へのインタビュー◆
── 一局を通していかがでしたか？
清水　初めての形で、形勢判断の難しい将棋だと思いました。ずっと分からなかったです。終盤の入口では苦しかったと思いますが。

── どこで好転したと思いますか？
清水　（60手目）△５一銀と引いて、もしかしたらチャンスがあるかなと思いました。ただ、残り時間が少ないので、あまり考えることはできませんでした。

── 次戦に向けて、意気込みをお願いします。
清水　最強の里見さんに勝ったことで、それを次戦に生かしたいと思います。


◆里見女流四冠へのインタビュー◆
── 同じ質問ですが、本局について？
里見　ちょっと、序盤が軽率でした。（22手目から△７六飛▲６四歩と）銀を取り合ったあと、（28手目）△５二金右と上がられて苦しいかなと思いました。その後も自信はなかったので、時間を使って何かひねり出すなどする必要があったかもしれません。

（インタビュー書き起こし：飛龍記者／撮影：夏芽）

本戦２回戦▲里見香奈女流四冠－△清水市代女流六段戦は、15時58分、82手で清水女流六段の勝ちとなりました。消費時間は▲里見女流四冠２時間９分、△清水女流六段２時間58分（チェスクロック使用）。勝った清水女流六段は準決勝で、中村真梨花女流三段－室谷由紀女流二段戦の勝者と対戦します。



（夏芽）

時刻は間もなく16時、局面は69手目▲６三馬まで進みました。



解説の斎藤六段の読みでは、ここで△７八飛成▲同金△２七香成以下、先手玉に即詰みがあるとのこと。清水女流六段が勝利に近づいています。



（夏芽）

前記事の最終手△２四香から、▲６五金△同歩▲４六桂△２五香▲５四桂△５一銀と進みました。



解説の斎藤六段は「△５一銀は強い手ですが、いい手ですね」と、ここにきて後手がリードしたとの見解を示しています。



（夏芽）

前記事▲６二角成以下、△５五角▲６七金△９九角成▲７六金△２四香と進みました。



途中▲６七金の飛車取りに、控室では△７四飛が予想されていましたが、清水女流六段は飛車を逃げず△９九角成と、香を取って勝負する順を選びました。

本譜の進行について、斎藤六段は「驚きましたが、この順が早く勝てると見れば、（△９九角成は）いい手だったかもしれないですね」と、後手が盛り返した評価を下しています。ただし清水女流六段は残り30分を切っており、秒読みとの勝負にもなりそうです。



（夏芽）