終局直後、大盤解説会場へ両対局者が登場。会場は拍手に包まれた。

大盤解説会場から戻り、感想戦を行う両対局者

２枚の棋譜が激闘を物語る

（投了図は△２七馬まで、１５８手で今シリーズは幕を閉じた）

（吟）

ストレート防衛を決めた、終局直後の矢内。

本局について聞かれ、「ちょっとでたらめな序盤をやってしまい、厳しい戦いとなりました。最後は良くわからないです」五番勝負、全体の印象を聞かれると、「今回のシリーズは星が逆でもおかしくなかったです。ツキがありました。中盤は粘り強く指せたかなと思います。第１局をギリギリのところで勝てて波に乗ることが出来ました」と矢内。

今日の感想を聞かれた岩根は「少し作戦勝ちかと思っていました。△３五歩（114手目）と指されるのを軽視していました。△１二歩（116手目）と打たれて何もないのもおかしいです」。今シリーズ全体の感想を聞かれると「３局ともチャンスがあったと思います。しかし勝ちきるのは大変でした。このシリーズを通して、自分の弱さがわかったので、今後にいかしたい」と語った。

（吟）

「▲２二竜としましたが、ここで後手玉には即詰みがありました。▲２三金なら詰みです。△同馬の一手に▲同成香△同銀▲２二角△４二玉▲３一角成△５二玉▲４一馬△６一玉で▲４二馬までの詰みでした」。（屋敷九段）

（吟）
 

三間飛車と言えばコーヤンこと中田功七段

終盤戦に入り、渡辺明竜王も控え室を訪れた。

（吟）

「△８七角が矢内さんらしい、落ち着いた手ですね。こういった手を指されると相手は焦るものです。△８七角まではやや振り飛車ペースかと思っていたのですが、後手が△８七角と打って悩ましいですね。ここでは互角の形勢でまだまだ難しいですね。先手玉はまだ堅いですから」。（屋敷九段）

（吟）