昼食休憩明け、再開後の一手は△4二銀(42手目)でした。銀を引くのは意外な印象も受けますが、角の動きを楽にして盛り上がってくる先手陣に対応しています。後手玉は中住まいで両桂を跳ね、身軽な布陣で現代的。先手陣は昔ながらの二枚金と両者の陣形が対照的です。
ここまでの流れを振り返ると、香川女流四段の△8五飛(38手目)が決断のぶつけでした。飛車交換に応じれば決戦でしたが、本譜は山根女流二段が▲8六歩と拒否して穏やかな流れになっています。香川女流四段は8筋に歩を打たせてポイントを稼ぎましたが、山根女流二段も手厚く構えて前線の大駒を圧迫する楽しみがあります。
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