2018.06.20
注目の対局迫る! 6/22 王座戦挑決トーナメント深浦康市九段―藤井聡太七段戦
6/22(金)、第66期王座戦挑戦者決定トーナメント2回戦の深浦康市九段―藤井聡太七段戦が東京・将棋会館で行われます。注目の対局、勝敗のゆくえはいかに???
日本中が注目する第66期王座戦挑戦者決定トーナメントが進行中です。
日本将棋連盟サイト 第66期王座戦挑戦者決定トーナメント6/22にはその中でも注目度の高い、2回戦の深浦康市九段―藤井聡太七段戦が行われます。
両者の公式戦でのこれまでの対戦成績は深浦の1―0。
また、両者の直近10局の成績は下表の通りです。
何と申し上げましょうか・・・
両者まっ白けっけでございます!
好調同士が要所でぶつかる好カードは、ニコニコ生放送、AbemaTV、将棋連盟ライブ中継でご覧いただけます。
『藤井聡太全局集』では、印象に残る12局を「重要対局詳解編」として特に詳しく解説していまして、深浦―藤井戦過去唯一の公式戦も、敗局ながら、この12局に入っています。
戦型は、深浦九段の誘導により本日20日に2日目が指されている名人戦第6局と同じ流れとなりました。
形勢は藤井優勢となりましたが、終盤で深浦が逆転。ライブ中継では藤井が脇息に倒れ込むようにして悶え悔しがるシーンが映し出され、話題となりました。
それでは『藤井聡太全局集』から抜粋した、深浦―藤井戦ハイライトシーンをご覧ください。
☆
第14図以下の指し手
▲4八同玉△2六金 ▲9五桂(第15図)
敗着
▲4八同玉が敗着。藤井には、ある手が見えていたのだが、それが裏目に出た。
村山(慈明七段)「先手は▲4八同銀(A図)と取るのが正解でこれならまだ難解な形勢です。ただ、いつでも△9五角や△8六角の王手が残っているので、それを藤井四段は嫌ったようです。▲4八同玉と取ったため、△2六金が厳しい攻めになった。ここからは後手の勝ち筋です」
藤井に見えていたのは、第15図の▲9五桂だ。
これを打つために▲4八同玉と取ったのだが、先手玉にも危機が迫っていた。
第15図以下の指し手
△3七角 ▲5八玉 △9五金 ▲7四銀
△6六桂 ▲6八玉 △5八金 ▲同 銀
△7八桂成▲同 歩 △5九角成(投了図)
まで166手で深浦九段の勝ち
(消費時間=▲3時間0分、△3時間0分)
A級の勝負術を味わう
▲7四銀と詰めろを掛けたときに△6六桂と打たれて先手玉が詰んでいる。△6六桂に▲6七玉と逃げた方が手数は長いが、△7六金▲6八玉△7八桂成▲同銀△同竜▲同歩△5七香成▲同玉△6六銀▲6八玉△6七銀成▲7九玉△6八金▲8九玉△7八金▲9九玉△5五角成以下詰みだ。
村山「深浦九段の粘りに泣かされた棋士は数知れずですが、あの藤井四段すら粘り倒されたのだから、これはもう深浦さんを褒めるしかない。勝敗を度外視すれば、藤井さんの公式戦ベスト3に入る大熱戦。すごい将棋でした」