2018.04.23
谷川浩司九段「悔しくないのか」発言 藤井聡太六段の優勝に感化されたのは?
2月17日、藤井聡太六段の棋戦優勝を受けての谷川九段のコメント「君たち、悔しくないのか」にまつわるお話です。
――全棋士参加の棋戦で優勝するのはまだ難しいと考えていました。私たちの予想をはるかに上回るスピードで、強くなっているようです。名人と竜王を破っての優勝は見事ですが、ただし、20代・30代の棋士に対しては、「君たち、悔しくないのか」と言いたい気持ちもあります。
今年2月17日、第11回朝日杯将棋オープン戦で藤井聡太五段(当時)が優勝した際の、谷川浩司九段によるコメントです。
「君たち、悔しくないのか」
20代、30代と言えば指し盛り。悔しくないわけがないと思いますが、史上最年少名人の記録(21歳)を持つ大棋士による重みのあるゲキに、奮起を誓った棋士も多かったことと思います。
情報局は「悔しくないのか」以降の棋士の成績を調べてみました。そこで、ある棋士の星に目が止まったのです。
その棋士の名は・・・
谷川浩司九段(56)!
はい。コメントの張本人様でございます。
2月17日以降の全局結果は以下の通り。
超がつく実力者ですので8戦6勝2敗は驚くことではないのですが、20代の若手を倒し、また本戦入りという要所で勝ってます。
竜王戦ランキング戦4組では菅井竜也王位、叡王戦七番勝負を戦っている高見泰地六段を下して準決勝進出、王座戦二次予選では山崎隆之八段、佐藤康光九段に勝って挑戦者決定トーナメント進出を決めました。
王位リーグは1―2と黒星が先行してしまいましたが、同期間の敗戦はこの2局のみとしています。
永世名人称号を持ち、タイトル獲得27期、棋戦優勝22回の谷川九段。中学生棋士という共通点を持つ藤井聡太六段の優勝に一番感化されたのは、実は「悔しくないのか」というコメントを寄せた当のご本人だったのかもしれません。
今週金曜日の27日は王将戦一次予選3回戦で大橋貴洸四段(25)と対局します。
大橋四段と言えば、棋界で唯一藤井六段を2回倒した(通算2―2)棋士で、全体の勝率も高い関西若手の有望株。
この一局は見逃せませんよ。
対局は将棋連盟ライブ中継でご覧いただけます。
お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中