2018.04.09
新刊案内「奇襲・きんとうん戦法」 ~きんとうんって何やねん~
お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
こんにちは。孫悟空の頭についている輪っかは「きんこじ」。で、お馴染みの編集部島田です。
やや久しぶりの新刊案内いきます。本日紹介しますのは4月11日発売の島本亮先生の新刊「戦慄の▲7七金! 奇襲・きんとうん戦法」です。
![](/files/user/201804092042_1-300x0.jpg)
このタイトルを見た多くの方がこう思ったでしょう。
「きんとうんって何?」と。
きんとうん戦法とはプロ棋士160人の中でも島本先生しか使っていない、なんとも珍しい戦法。なんだ、奇襲か、と侮るなかれ。島本先生はこれを使って三浦九段に勝ったこともあるのです。
きんとうんがどんな戦法か、だんだん気になってきましたね。
早速見てみましょう。
まずは気息を整えて次の図を見てください。
![](/files/user/201804092042_2-300x0.jpg)
はい。何の変哲もない横歩取りの出だしです。
ここで先手は当然▲2四歩といく、と思うじゃないですか。
きんとうんはこのタイミングで変化します。
なんと▲7七金!!
![](/files/user/201804092042_3-300x0.jpg)
あちょーーーー!!
9手目にしてあちょーーー!!
これが書籍のタイトルにもなっている「戦慄の▲7七金」です。
私の経験ではこの局面で後手は3秒固まります。
ネット将棋ではすでに一歩得くらいのプラスといえましょう。
(嬉野さんは2分切れ負けの10秒差は角得、と言ってました)
そもそも先手番で横歩取りを指そうと思ったらざっと見ただけで以下の戦法への対応を覚えなくてはいけません。
(1)△4五角戦法
(2)△3三角戦法
(3)△4四角戦法
(4)△4一玉戦法
(5)相横歩取り
(6)△8五飛戦法
(7)△8四飛戦法
きんとうんはこれら7つの戦法を一瞬にして無に帰することができます。ブラックホールみたいなもんです。ホーキングだけに。相手は知らない、自分は知ってる。この状態に持ち込むだけでもすでに三歩得くらい有利です。
図の▲7七金のメリットはなんといっても「しばらくは飛車先を交換されないこと」です。横歩取りの先手番を持つときはいつも後手からの△8六歩合わせからの横歩かっさらいに怯えなければいけませんが、きんとうんでその心配はありません。▲7七金、それは大いなる安心感です。母なる大地です。
で、▲7七金に対して後手は多くの場合△3三角と上がってきます。
![](/files/user/201804092042_4-300x0.jpg)
島田調べによると9割5分こうなります。
それ以外の手を指してきたらもちろん▲2四歩から一歩交換します。これがきんとうんの第1の狙いです。
△3三角とされたら、▲7五歩、▲2六飛の2手を指してください。
![](/files/user/201804092042_5-300x0.jpg)
飛車を横に使う構想が見えてきましたね。
この局面でのきんとうんの狙いはタテ歩取りです(第2の狙い)。つまり、後手が△6四歩などと突こうものなら、すかさず▲3六飛として3四の歩を狙います。
と、いうわけで後手は歩を突かないで△2二銀~△4二角~△3三銀として3四の歩を取られない構えを取ります。対して先手は美濃囲いにします。
![](/files/user/201804092042_6-300x0.jpg)
こんな感じで進みますが、ここできんとうんの第3の狙いが発動します。それが▲8六歩!!です。
![](/files/user/201804092042_7-300x0.jpg)
えっ?そっから!?逆に?
まさかの飛車先逆襲です。明日なき暴走、みちのく一人旅です。
ここでは▲7六飛と穏やかに指す手もあります。むしろこっちのほうが自然で、本書では詳しく解説されていますが、今日はせっかくなので過激な方を紹介しましょう。
▲8六歩と突いて、以下△同歩▲同飛!△同飛▲同金。さぁこの局面、一体どうなってるんでしょうか?
![](/files/user/201804092042_8-300x0.jpg)
どーですか、皆さん。
どこからどう見ても先手陣がバラバラで、後手陣がしっかりしているように見えます、よね?
声を大にして言いたいんですが、この局面、すでに先手が指しやすいんです!
とりあえず次に▲8二歩があるので△7一金。先手は▲8七金と引きます。
![](/files/user/201804092042_9-300x0.jpg)
先手陣には飛車を打ち込む場所がありません。
△6九飛などと打ってこようものなら▲8六飛△8三歩▲7七金という手順で飛車を捕獲できます。
先手の美濃囲いが妙に堅く、もう一枚の大駒である角が相手玉方面をにらんでいる分、きんとうん側が指しやすいのです。以下△5四歩には▲6六角~▲6八銀のような感じで指していただければ大体良くなります。
ただ左右分断形であることは間違いないので、まとめるには力が必要です。
ですが、それも含めて指していて面白いのでトータルプラスです。
また、指せば指すほど経験値が上がっていくので、もっと勝てるようになります。
これが世に言う「正のきんとうんスパイラル」です。
まとめるとこうなります。
正直、横歩取りの先手番を持つことが憂鬱で仕方なかった私(いつ後手から奇襲を仕掛けられるかわからない上に、定跡形になっても自信なし)。
それが、きんとうんに出会ってみるとあら不思議、その重々しさから解放されたような気がしています。
とにかく指していて楽しいのがいいです。
みなさんにもぜひオススメしたい戦法です。だまされたと思って指してみてください。ホントに勝てますから。
▲7七金!と上がってぜひ相手を驚かせてください。
お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
やや久しぶりの新刊案内いきます。本日紹介しますのは4月11日発売の島本亮先生の新刊「戦慄の▲7七金! 奇襲・きんとうん戦法」です。
![](/files/user/201804092042_1-300x0.jpg)
このタイトルを見た多くの方がこう思ったでしょう。
「きんとうんって何?」と。
きんとうん戦法とはプロ棋士160人の中でも島本先生しか使っていない、なんとも珍しい戦法。なんだ、奇襲か、と侮るなかれ。島本先生はこれを使って三浦九段に勝ったこともあるのです。
きんとうんがどんな戦法か、だんだん気になってきましたね。
早速見てみましょう。
まずは気息を整えて次の図を見てください。
![](/files/user/201804092042_2-300x0.jpg)
はい。何の変哲もない横歩取りの出だしです。
ここで先手は当然▲2四歩といく、と思うじゃないですか。
きんとうんはこのタイミングで変化します。
なんと▲7七金!!
![](/files/user/201804092042_3-300x0.jpg)
あちょーーーー!!
9手目にしてあちょーーー!!
これが書籍のタイトルにもなっている「戦慄の▲7七金」です。
私の経験ではこの局面で後手は3秒固まります。
ネット将棋ではすでに一歩得くらいのプラスといえましょう。
(嬉野さんは2分切れ負けの10秒差は角得、と言ってました)
そもそも先手番で横歩取りを指そうと思ったらざっと見ただけで以下の戦法への対応を覚えなくてはいけません。
(1)△4五角戦法
(2)△3三角戦法
(3)△4四角戦法
(4)△4一玉戦法
(5)相横歩取り
(6)△8五飛戦法
(7)△8四飛戦法
きんとうんはこれら7つの戦法を一瞬にして無に帰することができます。ブラックホールみたいなもんです。ホーキングだけに。相手は知らない、自分は知ってる。この状態に持ち込むだけでもすでに三歩得くらい有利です。
図の▲7七金のメリットはなんといっても「しばらくは飛車先を交換されないこと」です。横歩取りの先手番を持つときはいつも後手からの△8六歩合わせからの横歩かっさらいに怯えなければいけませんが、きんとうんでその心配はありません。▲7七金、それは大いなる安心感です。母なる大地です。
で、▲7七金に対して後手は多くの場合△3三角と上がってきます。
![](/files/user/201804092042_4-300x0.jpg)
島田調べによると9割5分こうなります。
それ以外の手を指してきたらもちろん▲2四歩から一歩交換します。これがきんとうんの第1の狙いです。
△3三角とされたら、▲7五歩、▲2六飛の2手を指してください。
![](/files/user/201804092042_5-300x0.jpg)
飛車を横に使う構想が見えてきましたね。
この局面でのきんとうんの狙いはタテ歩取りです(第2の狙い)。つまり、後手が△6四歩などと突こうものなら、すかさず▲3六飛として3四の歩を狙います。
と、いうわけで後手は歩を突かないで△2二銀~△4二角~△3三銀として3四の歩を取られない構えを取ります。対して先手は美濃囲いにします。
![](/files/user/201804092042_6-300x0.jpg)
こんな感じで進みますが、ここできんとうんの第3の狙いが発動します。それが▲8六歩!!です。
![](/files/user/201804092042_7-300x0.jpg)
えっ?そっから!?逆に?
まさかの飛車先逆襲です。明日なき暴走、みちのく一人旅です。
ここでは▲7六飛と穏やかに指す手もあります。むしろこっちのほうが自然で、本書では詳しく解説されていますが、今日はせっかくなので過激な方を紹介しましょう。
▲8六歩と突いて、以下△同歩▲同飛!△同飛▲同金。さぁこの局面、一体どうなってるんでしょうか?
![](/files/user/201804092042_8-300x0.jpg)
どーですか、皆さん。
どこからどう見ても先手陣がバラバラで、後手陣がしっかりしているように見えます、よね?
声を大にして言いたいんですが、この局面、すでに先手が指しやすいんです!
とりあえず次に▲8二歩があるので△7一金。先手は▲8七金と引きます。
![](/files/user/201804092042_9-300x0.jpg)
先手陣には飛車を打ち込む場所がありません。
△6九飛などと打ってこようものなら▲8六飛△8三歩▲7七金という手順で飛車を捕獲できます。
先手の美濃囲いが妙に堅く、もう一枚の大駒である角が相手玉方面をにらんでいる分、きんとうん側が指しやすいのです。以下△5四歩には▲6六角~▲6八銀のような感じで指していただければ大体良くなります。
ただ左右分断形であることは間違いないので、まとめるには力が必要です。
ですが、それも含めて指していて面白いのでトータルプラスです。
また、指せば指すほど経験値が上がっていくので、もっと勝てるようになります。
これが世に言う「正のきんとうんスパイラル」です。
まとめるとこうなります。
(1)横歩取りの出だしで▲2四歩と見せかけて▲7七金
(2)△3三角以外なら▲2四歩(第1の狙い)
(3)▲7五歩~▲2六飛としてスキあらばタテ歩取り(第2の狙い)
(4)美濃囲いに組んで▲8六歩から飛車交換(第3の狙い)
(5)気がつくと意外にスキがない
(6)角の働きの分有利
(7)それが僕らのきんとうん戦法
(8)そうさ今こそアドベンチャー
(2)△3三角以外なら▲2四歩(第1の狙い)
(3)▲7五歩~▲2六飛としてスキあらばタテ歩取り(第2の狙い)
(4)美濃囲いに組んで▲8六歩から飛車交換(第3の狙い)
(5)気がつくと意外にスキがない
(6)角の働きの分有利
(7)それが僕らのきんとうん戦法
(8)そうさ今こそアドベンチャー
正直、横歩取りの先手番を持つことが憂鬱で仕方なかった私(いつ後手から奇襲を仕掛けられるかわからない上に、定跡形になっても自信なし)。
それが、きんとうんに出会ってみるとあら不思議、その重々しさから解放されたような気がしています。
とにかく指していて楽しいのがいいです。
みなさんにもぜひオススメしたい戦法です。だまされたと思って指してみてください。ホントに勝てますから。
▲7七金!と上がってぜひ相手を驚かせてください。
お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
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